ホトトギス
今まであまり気に留めなかったホトトギス。文部省唱歌、『夏は来ぬ』の歌詞に歌われていることから、気に留めて見ると、その鳴き声はよく耳にし、庭の木の花や実を啄む、鶯よりも大きな姿も、よく見かけます。我が国には5月頃に南の国から渡ってくる渡り鳥です。そのため夏の到来を告げる鳥として、万葉集や和歌の世界に、数多く登場します。有名な和歌の一つ、 ホトトギス 啼きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れるという後徳大寺左大臣の千載集に入集している名歌が、あまりにも有名です。夜に啼くホトトギスに出会うことが、風流とされた時代背景を、よく表している和歌ですね。また自分で子育てをせず、ウグイスの巣に托卵する習性は、古く奈良時代から知られていたと言います。