松下幸之助 25話”経営者”
松下幸之助は、経営者とは、組織の中で軍師になってはいけない。と語っている。”だいたい、 優秀な経営者ほど、”自分”が軍師になって作戦をたてようとします。 でも、作戦を立てるのは、あくまで軍師の仕事なんです。 経営者は、 軍師ではなくて、”大将”なんです。 軍師が立ててきた、いろいろな作戦の中から取捨選択をするのが大将の仕事なんです。 軍師が立ててきた作戦は、すべて正しい。 軍師という仕事は、 正しいことを考えればいいだけですから、楽なんです。 大事なことは、 正しいものの中から、 正しいものを取って、 正しいものを捨てていくのです。 正しいものを取ることは、誰にでも出来ます。 でも、 正しいものを捨てることが、なかなか出来ないものなのです。 この仕事をすることが、大将である経営者の仕事なんです。”将棋の有段者の場合、初段と二段では、圧倒的な差があります。しかし経営者には。。。段の認定はありません。だから自分で、きちんと自戒できないと、つい”自分は有段者だ!黒帯だ!”と油断してしまいがちです。世の中には、自己啓発本というものが多く出回っております。勘違いしてる経営者ほど、”社員がいかにあるべきか”などという事が書かれた本を探します。しかし、問題なのは、”経営者本人がいかにあるべきか”なんです。だから、戦争になると、兵隊は強くても、大将の作戦ひとつで負けてしまうのです。それは、戦術は得意でも、戦略に弱いからです。戦術に惑わされずに、いかに戦略的なレベルで物事を考えることができるかが大切なことなんです。また、幸之助さんは、こういう話もしております。”経営者は、学者になってはいけない。”だいたい景気が悪くなると、”いつ景気が良くなるのですか?”と聞いてくる経営者の方がおられます。経営者とは、 ”どうなる”ではなくて、 ”どうする”を、より大切にしなければならないのです。 ”こういう未来にしたい!”というビジョンが大切なんです。