松月の羊羹
山形県には、おいしい和菓子屋と蕎麦屋が数多くある。それは、たぶん、水と空気が良いからだと思う。どんなに技術があっても、技術は、しょせん、すぐれた原材料にはかなわない。先日、吹雪の中、月山(がっさん)の麓にある、お菓子屋の松月さんに行ってきた。なぜ、吹雪の日なのか、というと、友人から、”山形で一番美味しい羊羹(ようかん)は、松月の和ぐるみ羊羹だ。”と聞いたからだ。菓子屋、松月は、月山湖へ向かう寂れた街道沿いにある小さなお菓子屋さんだった。お店の外観も、どことなく寂しい。。。わたしは過去、この店の前の道を何十回となく通過している。しかし、印象はまるでない。まさか、山形一が、ここに、知る人ぞ知る、知らない人は知らない。という感じだろうか。さっそく店内に入り羊羹(ようかん)をひとつ買った。羊羹は本物の竹の皮に包まれていた。車内で、さっそく、ひっくりかえして原材料を見ると、白双糖、糸寒天、和ぐるみ。。。どうやら、食べなくても、美味しいことが理解できた。これだけの原材料を使って、なんて安い値段で売っているんだ。帰りの車の中、ふと思った。このお菓子屋さんが、月山の麓の小さな町ではなく、銀座の並木通り周辺にあったら。。。空也(くうや)や、虎屋に割って入るだけの力を持っていると思った。。。山形はすごい。。。