ペースメーカー
昨夜、午後6時半の帰宅ラッシュ時間に、珍さんは帰宅する為、電車に乗ったアルが、生憎(あいにく)座れなかったのこと。 珍さんは腰を手術している上に、さらに医者から「中の上だね」と言われているくらい、またもや腰痛が悪化しており、1時間以上も立ち続けるのは非常にツライのこと。 何とかシルバー・シートに座りたいと思ったアルが、目の前には左から、若いネーチャン、中年のオッサン、中年のオバハンが座っており、1時間立ち続ける覚悟をしたアル。 ところが、途中の駅で珍さんよりも若干年下と思われるバーサンが、両手に大きな荷物をぶら下げ、大袈裟に足を引きずりながらシルバーシートを目指して突進して来たアル。 すると中年のオッサンが親切にも席を譲ったアル。バーサンは小さな声で「ご親切に有り難う。助かります。なんせ足が悪いもんで」と言いながら着席したアル。 しかし、次の瞬間、左端の若いネーチャンが手にした携帯電話を払い落としながら、アンタ、若いクセに席を譲らないとダメだよ!アンタより年上の人が席を譲ったじゃないか!大体、ここで携帯電話の電源は切らなきゃダメダヨ!あたしゃペース・メーカーを入れてるんだよ!これだから最近の若いもんはダメだ!と大声で怒鳴りつけたのこと。 とても、心臓が悪い人の声量では無いアル。珍さん、バーサンに「そのネーチャン妊婦だよ!」。ザマー見ろ!ネーチャンは顔を真っ赤にして寝たふりを始めたのこと。 それからもバーサンは辺りを見回しては、2メートルも離れてメールを見ていたニーチャンにアンタ、携帯の電源を切ってよ!あたしゃペース・メーカー入れてんだからぁ!と怒鳴りまくっていたのこと。 怒鳴る度にわざとらしく胸を押さえているアルが、心臓って、そんな上にあったっけ? それからも、別のニーチャンが目の前でゲームをやっていたら、胸を押さえながらちょっとぉ!携帯やめてよぉ!と怒鳴ったのこと。携帯電話ではない事が分かると「あっそう?」と残念そうにしていたアル。 一通り、周辺の携帯電話を持って居る人間に文句を言い終わると、バーサンは袋から御菓子を取りだしてボリボリ。週刊誌を開いて読んでいたアルが、しばらくすると居眠りを始めたのこと。 隣のネーチャンは、さっき怒鳴られてからは、写真のようにずっと寝たふりを続けていたアル。 30分後、ネーチャンとバーサンは同じ駅で降りていったアル。バーサンはまたもや大きな荷物を両手に、今度はスタスタと電車を降りていったのこと。 バーサンよぉ、シルバー・シートを譲るのは法律で決まっているわけじゃないんだよ。単なるマナーだよ!もっと謙虚になれよ。 譲るか譲らないかは、譲る人の勝手だよ。譲らない人に文句を言う権利は無いんだよ。 だいたい、アンタがペース・メーカー入れてないのは最初から見抜いてるよ。だってアンタの一番近くに居るオレは、携帯の電源入れっぱなしだよ。それなのに文句を言い終わったら、心臓を押さえるのを止めたろが!アンタは単に携帯が嫌いなだけだろ、この時代遅れめが! 日本を支えているサラリーマンが疲れ切って帰る時間はサラリーマンこそ優先的に座らせるべきのこと。 サラリーマンの帰宅時間、、世の中に何の役にも立たないババーどもが買い物や遊びの帰り、団体で優先席に座ってペチャクチャと、どうでも良い話を延々と続けているのを見ると機関銃が欲しくなるのこと。 世は高齢化が進行中。その内に全員が高齢者になり、シルバー・シートは100歳以上限定なんてぇ事になるかも・・・