【執着を手放すと楽になる】
【執着を手放すと楽になる】物事に執着すると、生きづらくなります。仏教では執着の心は、悟りの障害になりやすいと説いています。昔、二人の僧が修行のために地方を廻っていました。あるとき橋のない浅瀬の川があり、そこを歩いて渡ろうとしていました。そこに若い娘が、その川を渡るには着物が濡れてしまうのでどうしようかと迷っているようでした。すると、修行僧の一人がその娘に近寄り、何か話しかけました。修行僧は娘をおんぶして、川の中を歩き出し向こう岸につくと娘をおろしました。娘は、何度も頭を下げてお礼を言い去っていきました、もう一人の修行僧は瞬時に起こった出来事だったので、ただ黙って見ているだけでした。二人の修行僧は、それから二時間ほど歩き続け休息のために、木陰を見つけ座りました。もう一人の修行僧が、娘をおんぶした修行僧に向かって言いました。「あなたは、修行僧の身でありながら、あのような娘をおんぶするなど不謹慎ではないか」と。言われた修行僧は、「あなたは、まだあの娘のことにこだわっているのですか。私は川を渡り岸におろしたときに、娘のことは置いてきましたよ」と答えました。文句を言った修行僧は、返す言葉もありません。おんぶした修行僧は、困っていた人に自分ができることをした、ただそれだけのことで、あとは何もないと捨てているわけです。どちらの修行僧がのちに悟りを得るのか、答えは出ています。人々との交流は、私たちの日常生活に欠かせないものですが、多くの出来事や情報をどこかで、一度捨てることも必要です。執着心を手放すことが、ストレスから離れることになります。 (by ハートリンクス)