【なくしてわかる大切なもの】
【なくしてわかる大切なもの】 最近は、定年後をどのように生きていくべきか、などの生活設計を考えること がよく取り上げられています。 働く人の多くがサラリーマンということもあり、65歳を一つの人生の区切りと する世相があります。 自営業の方にとって、定年という考えはさほど強く感じられないのかもしれま せんが、それでもどこかで区切りをつけたいと思われるのでしょう。 ここ数年、熟年離婚というケースが増えているそうです。 夫が定年になったのを機に、妻は新しい人生を生き直したいということです。 このような出来事が起きる理由は、家庭なりの個別の事情があり奥さんのほう から離婚を申し入れるケースが多いようです。 その事態になって初めて、ご主人もそれまで自分の妻を大切にしてこなかった ことに気づきます。 夫も自分なりに、妻のことを思っているつもりが実際はそうではなかったこと に気づきます。 これは、一つの事例ですが、なくして初めてわかることはたくさんあります。 禅の言葉に、「明珠在掌」(みょうじゅざいしょう)というものがあります。 これは、大事な宝物は外の世界にはなく、自分の手のひらにある、という意味 です。 つまり、ほんとうに大事なものは、身近すぎて気づかないものである。 また、当たり前のことだと日頃から思っていることの中に、とても大切なもの があるのにわかろうとしない・・・、ということです。 禅の大家、道元禅師も、 『極楽は 眉毛の上のつるしもの あまりの近さに見つけざりけり』 つまり、天国は、自分の眉毛の上にある世界である、と言っています。 自分の、健康も仕事も家族も、それらがあるうちは当たり前のことだ、考えて しまいがちです。 場合によっては、仕事への不平、家族への不満をすぐに口に出していたのかも しれません。 大切なものをなくす前に、普段の生活の中で相手の立場になって考えるクセを 身につけておくのは、豊かな人生を送るには必要なことです。 豊かな人生とは、モノや名誉に囲まれることではなく、小さな幸せを相手に与 えていくことです。 小さくても、幸せを与えていくほど、自分も幸せな日々を過ごせるのです。 (by ハートリンクス)