【自分が得意とすることは何か】
【自分が得意とすることは何か】 落ち込みやすく、悩みやすいタイプの人は、「自分が苦手なこと」だけを考える傾向があります。「これができない」「あれができない」「今日もできなかった」と、失敗したことを責めてしまいます。こんな気持ちの時間が多い人ほど、表情もなんとなく暗いものです。だれにも得意・不得意なものがある、と割り切ってみましょう。「苦手なことがあって、当然」と思えばいいのです。そして、「苦手なこと、できないことはたくさんあるけど、得意なことも少しはある」と、自分ができることに目を向けていくと、心が軽くなりいつのまにか、生きる希望になることがあるのです。ピアニストとして活躍中の、フジ子・ヘミングさん。スゥエーデン人の父と日本人の母の間に生まれました。5歳で日本に移住し、10歳からピアノを始め才能を発揮して、多くの音楽賞を受賞するほどでした。しかし、中耳炎になり右耳の聴力を失い、その後左の耳も聴力を失ってしまいます。ピアニストとして生きるほかに道のない彼女は、治療を受けながら各地でコンサートを開きますが、キャンセルが続き次第に生活も苦しくなるのでした。食事も十分にとれないほど困窮した時期が続きました。ところが66歳になっていたフジ子さんのことが、NHKのドキュメント番組で放映されたあと、彼女の演奏を聞きたいという視聴者からの声が沸き起こったのです。フジ子・ヘミングさんの演奏には、人の心を打つものがあります。不遇な時代を、じっと耐えてピアノに自分の人生を託し、希望を捨てずに生きてきたからなのでしょう。彼女はこう語っています。『あのときの不幸は、より大きな幸福のために必要だった。 私たちにもそんな日がきっと来ます。人生は先が楽しみなのです』*フジ子・ヘミング著「希望の力 くじけない、あきらめない心」より現在82歳で、活躍されています。