ハートリンクスのブログ

[自己啓発] カテゴリの記事

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• 【楽しみながら自分を磨こう】

  【楽しみながら自分を磨こう】　人生を楽しむために必要な条件の一つに、向上心というものがあります。　人間には、もともと向上したいという知的本能を持っています。　たとえば、幼い子どもを寝付かせるとき絵本を読んであげたります。　子どもは、童話などに興味を持っていて、親が読んで聞かせる話をもっと聞き　たいと思います。　それがだんだん、本を読むことに興味を覚えて好きな本に出会うと、もっと　もっと、読みたいと思うようになります。　この習慣が、人間の知的な成長欲望に火をつけて、向上心となります。　向上することに、ある種の快感を覚えるのです。　しかし、大きくなるにつれその向上心も、少しずつ薄れていってしまいます。　これはこれで仕方のないことかもしれません。　ただ、子どものときの体験は、潜在意識にはしっかりと記憶されていて大人に　なっても、何かのきっかけでもっと向上したいという欲望がよみがえります。　この仕組みが理解できると、自分を磨くことはさほど難しいことではないと　思えるようになります。　つまり、向上したいという気持ちは自分を磨くことと同じことなのです。　そして、楽しみながら自分を磨くことができるのです。　ただ、そのために大事なのは、コツコツと積み重ねていくことを忘れてはいけ　ません。　写真好きの人が面白いことを話していました。　「近頃は、撮影技術がよくなりカメラでも、スマホでもレンズを向けるだけで　　ピンぼけしない。　　しかし、何十年と写真を撮り続けてきた人と同じように、うまく撮れるかと　　いうとそうではない。　　たとえば、お寺の仏像を同じアングルでカメラ歴何十年の人と、経験のない　　人が同じカメラで撮ったとしても、映りの出来栄えはまったく違う。　　キャリアのある人の写真がはるかに美しい」。　このように、自分を磨くには毎日の積み重ねが必要なのです。　向上したいという思いは、毎日積み重ねていく地味な行動や努力の大変さを　はるかに上回るのです。　楽しいという気持ちを味わいながら、自分を高めていくことは可能です。　人生が楽しいと思う人は、きっとこのことを実感していることでしょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2021年07月28日

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• 【人から好かれたいと思うなら】

  【人から好かれたいと思うなら】　明治大学教授・齋藤　孝氏の言葉から。《◆賞賛にははかりしれない力がある　「人と話をする時は、その人のことを話題にせよ。そうすれば、相手は何時間　でもこちらの話を聞いてくれる」。　これは大英帝国時代のイギリスで首相をつとめた著名な政治家ベンジャミン・　ディズレーリの言葉です。　この言葉の真意は、つねに相手に重要感をもたせよ、ということです。　社会人になったら、自己中心ではなく、他者中心で生きなければいけないので　すが、そのとき大切なのは、前述したように相手に重要感を与えることです。　みえすいたお世辞は嫌ですが、心から賞賛し、認めてもらえば、これほどうれ　しいことはありません。　人から好かれたいと思ったら、心から賞賛し、認めてあげればいいのです。　心から賞賛し、重要感を与えることは、人から好かれる黄金律といえるでしょ　う。　◆心が動くから賞賛が伝わる　相手に心からの賞賛を与えるには、それが自分の喜びになるようにシフトする　ことが大事です。自分の心が動かなければ、心からの賞賛はできません。　版画で有名な棟方志功は、少年時代にゴッホの絵を見て「ワだばゴッホになる」　言いました。　「ゴッホになろうとして上京した貧乏青年はしかし、ゴッホにはならずに世界　のMunakataになった。」と草野心平が詩に書いています。　「自分はゴッホになる」というのはゴッホに対する心からの賞賛です。　「ゴッホの絵のここがいいね」などというレベルではまだ本当に心は震えてい　ません。　「自分はゴッホになる」と言い切るところに棟方の心の震えがあらわれていま　す。　ですからみなさんも、無理にほめようと思わないで、まず自分の心が動くかど　うかチェックしてみましょう。　今の若い20代の人は心が動く様（さま）が見えづらい傾向があります。　品がよすぎて無表情に見えるので、年配の人たちからは、「いったい何を考え　ているのだろう」と思われてしまいます。　感動をSNSにあげてもいいのですが、食べ物や風景の写真ばかりのせても　意味がありません。　それだけだと単純になってしまうので、もっと本を読んだり、映画を見て、　心震えた場面を文章化していくのです。　そうすれば、自分の中の文化の経験が増えていくでしょう。　無理にほめようとしなくても、心が動いた様子を相手に見せれば、素直な感じ　が伝わって好感をもってもらえます。　ペットでも、体全体で喜びをあらわしてくる犬は、むすっとして愛想がない犬　よりもかわいいものです。　感情が読み取れない相手は不気味な感じで、なかなか好きになれません。》　（出典元：齋藤孝著　「齋藤孝が読むカーネギー『人を動かす』」創元社）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　人には本来、人から好かれたい・認めてもらいたいという気持ちがあります。　これは、人間社会の中で生きていくための知恵です。　その上で、大事なのは自分から好きになるかどうかが重要なことです。　好きになるというのは、心が動くということです。　棟方志功の場合、ゴッホの作品が好きだったことが、入り口です。　好きだからこそ、その作品に心が奪われるぐらい感動し、自分もゴッホのよう　になりたいと思ったのです。　賞賛するには好きにならなければならない。　つまり、心が動いて感動してはじめて、本当の賞賛になるということです。　そして、それが自分の目標や、夢にもなっていくこともあります。　人から好かれたいというのも一つの欲ですが、これは次元の高い、精神的に　成長したいという向上心があるからです。　人から好かれたいと思ったら、相手をほめて讃えることができる心の持ち主で　ありたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月31日

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• 【自分の適性とは】

  【自分の適性とは】　臨床心理士・すがのたいぞう氏の言葉から。《◆何でもやってみなければわからない　人には「向き不向き」というものがある、と言われる。　つまり人には適性と呼ばれるものがあって、多くの人は「これは私には向い　ていない」とか「これは私に向いている」と考えているのである。　それは自分というものをある程度、把握しているからであろう。　中には、「自分の適性がどこにあるのかわかりません」という言う人もいる。　自分に対する把握（自己理解）があまりできていないからである。　しかし、「適性がわからない」というのは、「適性がない」ということでは　ない。　そんな人でも、何をやってもダメだということはないだろう。　やってみれば、何でもそこそこできるという場合もある。　また、「向いている」と思っていたのに、実際にやってみると、自分には向い　ていないことがわかる場合もあるから、案外当てにならないものでもある。　つまり、自己理解も、単なる思い込みすぎないこともままあるというわけだ。　たとえば、「人の上に立つのは向いていない」と考える人も多い。　しかし、それはこれまで人の上に立つことを避けてきた結果であるとも言え　るのだ。　さしあたってそれは、「やってみなければわからない」ことなのである。　そして、「向いている」「向いていない」「向いているのか、向いていないの　かわからない」という結論にしても、「いままでのところは」という条件を　つけておいたほうが確かであろう。　内向的で人づき合いが苦手だから、営業の仕事などとてもできないと考えて　いた人がいた。　彼は就職先で、営業マンとしての苦しい日々をスタートさせた。　しかし、そのうち徐々に慣れてくると、案外自分にも外向的な面があること　を発見するのである。　そういうものである。　人には皆、苦手意識というものがあるが、いわゆる「食わず嫌い」と同じ原　理が働いている場合が多い。　機会と立場が与えられれば、いままで発揮されなかった能力が芽を出すこと　も多いのである。　「自分には向いていない」と思い込んでいるのは、自分が避けてきた結果な　のかもしれない。》　（出典元：すがのたいぞう著「こころがホッとする考え方」PHP研究所）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　自分にどんな適性があるのか、こんなことを一度は考え悩んだ方もおられる　ことでしょう。　まず、「向き不向き」ということと「適性」というのは全く同じものではない　ということを知っておいた方がよいようです。　向き不向きには、好き嫌いというものが大きく影響します。　しかし、適性というものには、その人の性格や考え方がかなり影響するもの　といえるでしょう。　学校を卒業するとき、「自分は○○の仕事をしたい」と明確な目標を持つ人が　います。このような人は、自己理解がしっかりできているからともいえます。　だからといって、自分にはどんな仕事がしたいのかまだわからない、という　人がすべて、自己理解ができていないとは言い切れません。　人には、個性というものがありますから、この違いはあって当然なのです。　大切なのは、自分の適性というものの先に、自分の可能性があるということ　を知っておくことです。　自分が苦手だと思っていたことでも、いつのまにか得意なことになった経験　をした人は多くいます。　そのような人は、自分自身に内在する可能性を広げていったのです。　少なくとも、自分にはこの仕事は向いていないな、と思う前にその仕事から　得ることのできるメリットは何か、自分でもできるのではないか、という　意識を持つことが大事なことです。　自己理解に努めるのも大切ですが、自分の可能性を信じることも忘れては　いけないことなのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月30日

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• 【距離に耐える愛】

  【距離に耐える愛】　渡辺和子さんの言葉から。《ある日のこと、アメリカに単身赴任して間もない夫の写真を持って、一人の　卒業生が訪ねてきた。　写真には友人であろうか、数人の男女と談笑している、その人の夫の姿があ　った。　「よかったわね。現地にもお馴（な）れになったようで」という私の言葉に、　その人は険しい顔つきで答えたのだった。　「私がいないのに、こんなに楽しそうにしているなんて、許せないんです」。　親の反対を押し切って恋愛結婚をしてから、まだ一年にもならない妻の言葉に　は、淋しさというより怒りがこもっていた。　愛するということはすばらしいことだと思う。　しかし、本気で愛する時、そこには必ず苦しみが生じる。　愛する者を持たない時の淋しさとは異なった、愛してしまったがゆえに味わう　淋しさであり、苦しみである。　自分がいないというのに、愛する相手が楽しい時間を過ごしていることに腹立　たしい思いがするという気持ちの中には、「私なしに幸せであってはならない」　という独占欲と、なにがしかの嫉妬もあるのだろう。　「私なしでも幸せそうでよかった」と思うことができるためには、相当の信頼　と愛が必要であろうし、私はそこに自立心を加えたいと思う。　“その人なしでも生きてゆける自分”をしっかり持っていることなのだ。　しかし、人間である限り、愛する相手を絶えず自分の手の届くところに置いて　おくなど不可能であると知らねばならない。　かくて、一人でいられるということは、愛するために必要な能力となる。　「寂しさは、愛するためにある」という言葉は、矛盾のようで真実なのだ。　　親の子に対する愛、夫婦、恋人、友人同士の愛においても、このような「覚悟」　が必要なのではないだろうか。　そのためにも、人間一人ひとりは別人格であり、相手は決して自分の所有物で　はないという、一つの“思い切り”を持って生きることが大切になる。　「愛は解放する」という言葉を本の中に見出して戸惑った覚えがある。　愛している時、相手を縛りつけておきたいと願い、自分も相手に縛られていた　いと願うものだとばかり思っていた時期が私にもあった。　それが、成熟した愛とは、縛る愛から、解放する愛へと成長することであると　気づき、自分で納得するのには、自分との闘いがあった。　「信じる愛」こそは、愛を持続させるために必須なのだ。　愛にも成長がないといけない。　それは、一体化を願い、相手の心の中、相手の世界を知り尽したい、という　愛から、徐々に脱皮してゆくことである。　相手に独自の世界を許し、別人格同士の間に必然的に生じる心理的、物理的　距離を認め、それに耐え、その距離を信頼で埋めてゆく愛ともいっていい。》　（出典元：渡辺和子著　「目に見えないけれど大切なもの」　PHP文庫）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　渡辺さんの語る愛は、通俗的な愛を含んだ知性をも包み込むような深くて　大きいものだと思います。　宗教者という立場がそう思わせるのかもしれませんが、特に信仰心があるとは　いえない私でも、なるほどと感じることが多くあります。　人間は、相手を縛る愛が本当の愛だと勘違いする生き物です。　理性では、相手を縛ることはよくないとわかっていても、いちばん先に来るの　は、相手を縛ろうとする愛です。　つまり、初歩的な愛というものなのかもしれません。　幼い子どもが、お母さんを自分が縛っておきたいというようなものです。　その初歩的な愛から、少しずつ成長していくことが、人間としての成長でも　あるということです。　もしかすると、「愛にも成長がないといけない」というこの言葉に、ピンと　こない人もいるかもしれません。　特に、若い世代では多くいるように感じます。　人間は高度な社会性を持っています。　自分に関わる人たちとの関係の中で、個々の立場に沿った愛のあり方が今の　ままでいいのか、見つめ直すのも大切なことだと思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月25日

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• 【あなたは「あなた」を選んで生まれてきた】

  【あなたは「あなた」を選んで生まれてきた】　ひすいこたろう氏の言葉から。《ある女の子は、骨がまっすぐに成長できない病気を患っていました。　体のなかに金属が何本も入っています。　今、わかっていることは、現代の医療では治療法がないということだけ。　この女の子が悲しむお母さんのためにもの語りを書きました。　その物語は、女の子がこの世に生まれ出る前のお話です。　　　　　◎　　　　　　　　　　◎　　　　　　　　神様が、これから生まれる子どもたちにひとつずつ、プレゼントを配って　います。それには、「お金持ち」とか「幸せな家庭」「健康な体」などと書か　れています。　子どもたちは、自分の好きなものを神様からもらって生まれてきます。　その女の子は、ふと神様の足元を見ました。　そこには、神様が必死に隠そうとしているプレゼントがありました。　「それ、なあに？」女の子は神様にたずねました。　「これはね、とっても強い子にしかあげられないものだよ。これを受け取った　子はね、とっても苦しい思いをしてしまうんだ……。でも、誰かが受けとらな　ければいけない、本当に強い子にしかあげられないんだ」　そのプレゼントには、「重い病気」と書かれていたのです。　それを聞いた女の子は、神様に必死にお願いしました。　そうやって女の子は生まれてきました。重い病気を抱えながら……。　　　　　◎　　　　　　　　　　◎　　　　　　　　その女の子は、悲しい顔をするお母さんにいつもいっています。　「私、強い子だから病気になったんだよ。だからお母さんが悲しまなくても　いいんだよ」　実は、あなたの人生だって神様からもらったものなのです。　神様からもらった人生のシナリオは、一見、不幸に見えたり、つらいことに　見えたりします。　人生は一枚の絵なのです。部分部分で判断しても意味がありません。　一枚の絵として見れば、起きる現象はあなたの望む成長のためだと気づくはず　です。》　（出典元：ひすいこたろう＋ひたかみひろ著　　　　　「運命の流れを変えるしあわせのスイッチ」　王様文庫）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　人がその人として生まれてくる確率は、ジャンボ宝くじの一等賞が百万回連続　して当選するぐらいの確率だそうです。　ほんとうかどうかは別にして、とてつもない確率で今の自分が生まれてきた　ということは間違いないようです。　　つまり、偶然この世に生まれてきたのではなく、必然的に生まれてきたという　ことになります。　生まれてくる必要性があったということです。　そう思えば、自分の命を大切にすること、他の人たちの命がいかに尊いことか　が自然にわかってきます。　目の前におきた現象、今いる環境は自分の成長のために、何かを学び、何か　教えられることがあるから。　日々成長できる人になりたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月23日

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• 【不安は消そうとせず、探さないでおこう】

  【不安は消そうとせず、探さないでおこう】　臨済宗満願寺住職・永井宗直師の言葉から。《◆「安心」とは何か　誰もがさまざまな不安の心を持って生きています。　禅には、「達磨安心」（だるまあんじん）という公案があります。　達磨大師と弟子の神光（じんこう）との問答です。　神光がいいました。　「私の心はいつも不安です。どうか安らかにしてください」　すると達磨はこう答えました。　「よろしい、あなたの心を安らかにしてあげよう。では、その不安という心を　ここに持ってきなさい」　こう命じられた神光は、しばらく自分の不安の心を探し求めましたが、ついに　探し当てることができませんでした。　そして、「心を出せといわれても、それを取り出すことはできません」　と答えたのです。　すると達磨はいいました。　「そうか、それでいいのだ。私はもう、あなたの苦しみを抜いてしまったぞ」　これで、この問答は終わっています。とても有名な公案のひとつです。　◆幸せも不幸も「自分次第」　この公案はなにをいわんとしているのでしょうか。　それは、「不安という、その心を持ってこい」との問いに、自分の中の不安を　探してもそれを取り出してくることは、ついにかなわなかったという話です。　つまり、これは我々は「自分の中のもうひとりの自分を探し出そうとしてい　る」ということではないでしょうか。　面白いたとえに「眼は眼を見ず」という言葉があります。　自分の眼を本当に自分で見ることはできないという意味です。　ですから、神光は「不安という自分の心を出せ」といわれても、自分の心を　取り出すことはできなかったのです。　神光はそこに気づいたので、不安から逃れることができたのではないかと　わたしは解釈しています。　わたしたち人間は、いいこと、悪いこと、どちらも自分の心で受けとめて生き　ていかねばならないのです。　「不安でしょうがない」といっている自分も、自分を外から見ている自分で　あって、それは本物の自分ではないのです。　自分という概念が不安だと問題にしてしまっているのです。　生きていると、いやでも幸不幸、たくさんの経験をしますね。でもどう考えて　も結局は納まるところにしか納まらないのが現実ではないでしょうか。　自分を不幸にするのも幸せにするのも、すべて自分次第なのです。　それを、まるで他人事のように、いつまでも外ばかり探し求めていては、幸せ　は見つからないと思います。　自分の眼は自分では見えないのですから、不安を探そうとする心をやめてしま　えば自ずと安心も見えてくるのではないでしょうか。　また、この公案からは、いつまでも不安な心や不幸にしがみついていてはダメ　だ、という教えも読みとることができます。　「自分はかわいそうな人だ」という被害者意識を持っているうちは、不安な心　はいつまでもその人につきまとうでしょう。　不安を打ち消そうとするのではなく、探そうとするのをやめてしまう。　すると、不思議に目の前のことがちゃんとクリアに見えてくる、そんな気がし　ます。》　（出典元：永井宗直著　「禅、ていねいな生き方」　知的生き方文庫）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　私たちは、つい不安なことを考えているものです。　今は特に問題は起きていないようなことでも、いつのまにか心の中で、　「○○が起きたらどうしよう」と、考えている自分に気づくことがあります。　不安に感じること自体は、私たち人間にとっては防衛本能があるために生じる　ことで、予期せぬ出来事に対応するという、当然なことでもあるのです。　しかし、どちらかというと、放っておいたら不安な気持ちが湧き出てくること　もあります。心の習性として、不安感を持ちやすいのです。　この心の習性を少しずつ変えていくには、不安なことに目を向けない工夫が　必要です。　それには、永井師がいうように、不安を感じる自分は本物の自分ではない、　という視点を持ち、不安を感じる自分との折り合いをつけていくことです。　100％、不安を感じないことが正しいことではなく、不安なこともあるが、　不安なこと以上に、いいこともたくさんある―という少し心をゆるめた感覚　を持っておくことです。　不安なことには、ゆるい気持ちになっていいこともあると考えてみましょう。　そのうち、不安なことより今やるべきことをしている自分に気づくはすです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月20日

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• 【自分の中にある仏の命】

  【自分の中にある仏の命】　境野勝悟師の言葉から。《あなたは、あなたを、人間だと思っている。　が、禅では、あなたを、仏さまだというのである。　自分が、ほんとうに仏さまだと自覚できたら、もう何の修行もしなくてよい。　そこで、いちばん注意しなくてはいけないこと。　それは、仏とは、死んだ人の霊ではない。　仏を死んだ人と思って、仏教の修行をしても、それは、　「南のかなたに、北極星を求めるようなもので、むなしい」　と、道元も、いっている。　仏の本意とは、三千大千世界（大宇宙）の、ありとあらゆるものを動かして　いる大きな生命である。　この生命は、昔から、ある。　もちろん、いまも活動しているし、永遠の未来に渡って、生きつづける。　あなたの全身のどこにも、如来（仏と同義）の生命が働いている。　大自然の生命が働いている。　あなたは人間だ。と、同時に、仏だ。　他人に傷つけられても、くよくよしない。》　（出典元：境野勝悟著「心がスーっと晴れる、一日禅語」知的生き方文庫）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　紹介した文章は、『如来蔵』という禅語について、境野師が語ったものです。　私たちは、如来（仏）の命の蔵である、ということになるでしょうか。　つまり、私の体には、仏のいのちが働いている偉大な存在である、という　意味です。　よく、仏教の話のなかに○○如来、とか、○○菩薩とかいうのを聞かれる　と思います。　如来というのは、悟りをひらかれた方。　菩薩というのは、悟りをひらくために修行している方だそうです。　つまり、私たちはすでに悟りをひらいた存在でもあるのです。　ただ、それに気づいていないのですが、気づくために修行をする必要がある　のです。　私たちは、如来であり菩薩である。　だからこそ、どんな苛酷な境遇であっても、負けることなくそのとき、その　ときにできることには全力を注いでいきましょう、というのがお釈迦さまの　教えです。　自分の命の中にある、仏の命を自覚する。　この自覚が、命は粗末にできないもので、大切にしていかなくては、と思う　ことにもつながっていくのではないでしょうか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月16日

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• 【疲れや焦りを感じた時はリセットする時】

  【疲れや焦りを感じた時はリセットする時】　臨済宗佛母寺住職・松原正樹師の言葉から。《2017年9月、オーストラリアのメルボルンで、世界中からユーチューバー　が集まるイベントが開かれ、そこで登壇者の一人として話してきました。　司会進行役を務めた、総再生回数が３億回を超える超人気ユーチューバーの　方は、こう切り出しました。　「われわれユーチューバーは皆、常に新しいアイデアを出さなくてはなりま　　せん。でも、クリエイティブな考えがなかなか出てこないんです！」　「マサキさん、坐禅でなんとかできませんか？」　「新しいアイデアが出てこないと、とてもつらいんです」　彼らは、動画の視聴者の心が離れないように、365日、奇想天外なアイデア　を引っ切りなしに考えては、配信することを考えているのです。　常に何か斬新なものを、刺激的なものをと、死にもの狂いで考え続けている　わけです。とても大変なことだと思います。　実際に、その後に行なわれた懇親会では、当時、韓国でトップと評されていた　女性ユーチューバーが私のところへ来て、泣きながら話すのです。　「私はクリエイティブなものが出ないと、非常に追い詰められるし、毎日、　　恐怖感と強迫間で悩まされて、頭がおかしくなりそうなんです」と。　そうした彼らの苦しさは、よくわかります。　でも、そんな調子で毎日のように、睡眠時間を削り、食事を削り、「誰も思　いつかないクリエイティブなことを……」と目を血走らせて考え続けても、　むしろアイデアはますます出てこなくなり、結局、体を壊してしまうという　悪循環に陥るでしょう。　私は提案しました。　「一度、そんなふうに無理にクリエイティブなアイデアを頭からひねり出そう　　とするのを、少し中断してみませんか？　　まず深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてみましょう。　　それを繰り返すうちに、すぐに目の前にあるようなことに　　『これ面白いんじゃない？』と気づけるはずですよ」と。　クリエイティブなことは、実は身近なところにあるもの。それが、心の焦りで　「灯台下暗し」（とうだいもとくらし）になっているのです。　ふだんのなんでもないものこそが、クリエイティブのタネになります。　今まで気づかなかったこと、見落としていたこと、そこにクリエイティブな　ものがいくらでも隠されているのです。　よく考えてみてください。　何か「新しい」と感じさせるものは決して、「ゼロ」から生まれたのでは　ありません。　必ずいままでの価値観が土台にあって、それをこれまでと違ったアングルから　とらえることによって、新鮮に感じさせているのです。　そんなふうに彼女には伝えました。　思い出してみてください。　パソコンやスマートフォンで高負荷なアプリを使用していたり、保存している　写真やビデオの量が多すぎたりすると、画面をクリックしてもまったく反応　しなくなったり、文字が入力できなくなったりと、いわゆる「フリーズ」状態　になりますね。　このような場合、私たちはまずどうするでしょうか。　パソコンをリセットしますよね。電源を抜きます。　そうです、私たちもときには「リセット」する、「電源を抜く」必要がある　のです。》　（出典元：松原正樹著　「感情を洗い流す禅の言葉」　知的生き方文庫）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　体の疲れを感じるのは、必要な栄養が不足していますよ、という合図です。　心も同じで疲れや焦りを感じるのは、心の栄養がなくなり、バランスがくずれ　かけているという合図です。　ところが、私たちにはその疲れや焦りを我慢するという、意志の力を持って　います。　何かの目的のために、意志の力で体や心の疲労を乗り超えなければならない、　とつい思ってしまうのです。　機械であれば、負荷がかかりすぎたら、機械そのものが反応しないように設計　されていますが、人間はそういうものではありません。　私たちにとって、無理に無理を重ねることは生きる力を妨げることにもなるの　です。　休息は生きるための力を補充する大切なものです。　疲れた体や心はリセットすることで、元気を取り戻すことができます。　自分を定期的にリセットできる時間をつくりましょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月08日

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• 【自己実現するには】

  【自己実現するには】　◎～自己実現とは、なりたい自分にあるということもありますが、　　　「なれる最高の自分になること」ではないかと思っています。　　　そして、なれる最高の自分を目ざしているその延長上に、なりたい　　　自分になれると考えています。～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（小宮一慶）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　自己実現している人にはある特徴があると言われます。　アブラハム・マズローという心理学者によりますと、自己実現をしている人は　自分以外の問題に強い関心をもち、その問題に集中して取り組むそうです。　どういうことかといいますと、何かの問題が起きたら、その問題を中心にした　考えと行動をするということです。　人によっては、問題が起きたら自分に責任があるかないかなどと考えてしまい　自分を責めたりすることもあります。　ところが、問題を中心に考える人は、自分の外のほうに意識を向けどうすれば　問題を解決できるかに力を注ぐのです。　かりに個人的な不運が起きても、そのことに動揺することも少なく冷静に対処　対処できるのです。　そして、問題を乗り越えたときの経験が自信となり、自分のやりたいことも　実現できるようになっていくのです。　その例として、セブンイレブンにまつわる話をしたいと思います。　1960年の後半、イトーヨーカ堂がある地区に新しい店を開店する計画があり　ました。　ところが、その地域の商店街から、お客がとられるという警戒心が高まり、　説明会を開いても同意を得ることがなかなかできません。　当時、鈴木敏文さんはその問題に直面していました。　ヨーカ堂と商店街の人たちの問題を解決する方法はないかと考えました。　その頃、アメリカでの研修に参加した鈴木さんは、セブンイレブンという　ものをはじめて目にしました。　スーパーマーケットよりは規模が小さい店舗ですが、食品雑貨の品ぞろえは　できています。　この形態なら、地元の商店街の同意を得られるのではないかと考え、検証を　行い計画を何度も練り直しました。　社内では反対意見もありましたが、計画の必要性を強く訴えた結果、日本初　のコンビニエンスが生まれました。　仕事において自己実現できる人は、人生においても自己実現できる人です。　自分の夢・目標があるとしたら、まず、実現のためにどう考え行動するか、　自分の外側に目を向けるべきです。　それが、自分を客観的に俯瞰できる視点を養うことにつながるでしょう。　そして、やるべきことを積み重ねていくうちに、自分の心の強さもしだいに　備わってくるはずです。　やりたいことを実現して、人生の充実感を味わいましょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月03日

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• 【悩みとうまくつき合おう】

  【悩みとうまくつき合おう】　心理学者・内藤誼人（よしひと）氏の言葉から。《そもそも、人間は悩む存在なのであって、「悩まない」ことなど、可能なのだ　ろうか。　仕事がうまくいけば、「悩まない」でいられるか。　成功者になりさえすれば、その瞬間から、悩みがきれいになくなるのか。　そんなことは、絶対にありえない。　人間はもともと悩み多き存在なのであって、「いっさいの悩みから解き放たれ　る」などということは夢物語であり、幻想である。　　億万長者のビル・ゲイツだって、メジャーリーガーとして大成功したイチロー　だって、彼らにしかわからない悩みはきっとあるはずで、「私は、悩みなどあ　りません」などと公言する人がいたら、その人はきっと偽善者である。　ウソをついているのである。　「悩み」というのは、生きる力を生み出すエネルギー。　だから、悩みが多い人のほうが、「生きてやる！」という力強いエネルギー　があふれているものなのだ。　悩んで、悩んで、悩み抜いている人のほうが、その悩みを克服するために　精一杯生きようとするものなのである。　第二次世界大戦中に強制収容所にいた経験がある精神医学者のフランクルは　言う、「苦悩する人間は、役に立つ人間よりも高いところにいる」と。　悩む人間こそ、生きる意志が宿っているのだ。　「オレ、別に何も困ってねえ」「オレ、特に悩みなんかねえ」　と口にする若者を見てみるがよい。　彼らの顔が、イキイキとしているだろうか。　むしろ、毎日を自堕落に生きていて、悩みはないのかもしれないが、精気を　失っているように見えるのではないだろうか。　彼らは、自分の将来について真剣に悩んだことがない。　もし本気で悩んでいたとしたら、「これでは、いけない！」という不安が　絶対に生まれるはずで、自分を変える努力をするはずだ。　悩まないということは、“問題を見ないようにしている”だけである。　自分に問題があるのに、それに気づかないフリをしていれば、悩むことはない。　しかし、問題はそのまま放っておかれているわけであり、そういう人は人間と　して成長することもできない。　悩むことは、たしかに苦しい。　しかし、悩むからこそ、その悩みを克服するために、人はやる気になるのだ、　ということは知っておかなければならない。》　（出典元：内藤誼人著　「不安があなたを強くする」　廣済堂出版）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　悩んでどうにかなるものと、どうにもならないものがあります。　『悩んでどうにかなるものには、悩めばいい。しかし、悩んでもどうにもなら　ないことには、悩む必要はない』これも、ひとつの原則です。　悩んでも自分の力ではどうにもならないことはあります。　ところが、人によっては、自分ではどうにもならないことをどうしよう、と　悩んでしまうこともあります。　そのときに、誰かの助けを借りよう、あるいは誰かに相談してみよう、と考え　ることができれば、解決の方法は見つかることもあるでしょう。　しかし、誰にも何も言わずに、相談することもなく自分一人で悩んでしまう人　が意外と多いのです。　一般的に、男性にこのタイプが多いといわれています。　また、芸術家や世の中から脚光をあびる仕事に従事する人にも多いといわれて　います。　自分の弱さを人に知られたくない、という意識の強さが原因にあるようです。　心理学に「援助希求」というのがあります。　誰かの援助を求めたい、相談したいという思い、願いのことです。　これがあることで、自殺の予防につながるともいわれています。　悩みとうまくつき合うには、まず、悩んでいる内容を整理してみるのが大事　なことです。　そのうえで、自分なりに解決のためにやるべきことを文字にしてみることも　よいと思います。　悩んだ分だけ強くなれるというのは確かなことですが、悩みを解決できない　自分自身をダメだと思う必要はまったくないのです。　相談したいという気持ちがあれば、それに従ったほうがよいのです。　何より重要なのは、自分に無理をかけすぎないことです。　そして、無理をしているかしていないかの判断も大事です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年10月01日

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• 【人間社会はジグソーパズル】

  【人間社会はジグソーパズル】　医師・矢作直樹氏の言葉から。《不満を持っている人には共通項があります。　寂しさです。　話を聞いてくれない、相手にしてくれない、聞き流される、情報を交換して　くれない……、寂しさは放っておくと膨張します。　まるでモンスターのようになったクレーマーが社会問題化していますが、最近　では特に中高年層のクレーマーが増えているそうです。　寂しい、取り残される、どこかにそういう感情があるのでしょう。　クレームは話を聞いてくれないという状況に不安を感じて、自らの不満が高ま　った結果ですが、そんな状況は自分だけではないという現実を意識することも　必要です。　自分がクレームをつけている相手も、仕事でいっぱいいっぱいな状況だという　現状を想像することなく、我（われ）が、我がと文句をつければ、やればやる　ほど相手が近寄らなくなることは明白です。　誠意を持った上で説明する、話を聞く、ということはもちろん大事ですが、逆　の立場にある人も最低限の想像力を働かせることが大切です。　人はできることはできるけれど、できないことはできません。　できる、できないという言葉を「やりたい・やりたくない」と置換しても　かまいません。　何をあたりまえなと笑うかもしれませんが、それは最も大事な方程式であり、　その事実を忘れるから不満が高まり、争いごとが絶えないのです。　私もこれまで勤務した数々の現場でいろいろと味わいました。　まずはその方程式を理解することが大切です。　頭で理解するのではなく、実感することです。　それが不満を解消するためのポータル（入り口）であると同時に、自分が納得　するための最大の近道です。　あきらめや諦念（ていねん）という境地、または受容という状況に近いのかな　とも思います。　言い換えれば、「あるがままを受け入れる」という心境です。　受け入れないと、相手の持つ良い部分さえも見落としてしまいます。　本来は、そういう教育を幼少の頃から施すべきなのでしょう。　この社会はジグソーパズルのようなものであり、ピースの形はそれぞれに違う　けれど、皆に居場所があり、全部が組み合わさると一つの絵ができるのだ、と　いう基礎的な教育です。　その結果として世間が成り立っているのだと教えることが、勉強を教えること　よりも先なのではないでしょうか。》　（出典元：矢作直樹著　「悩まない」　ダイヤモンド社）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　人は寂しさを知ることで、人と関わりあうことのありがたさを知ることができ　ます。　また、そのことが人間として磨かれていくのかもしれません。　しかし、寂しさを自己成長の栄養にできない人は、寂しさが膨張するのを待つ　ことしかできないのです。　人は寂しい世界でしか生きられなくなると、想像力がなくなります。　ですから、相手の気持ちや立場が理解できなくなるのです。　心が硬くなっているのです。　それまでの肩書や、経験の多さが自分のすべてだ、と勘違いするのです。　年齢が重なるほど、人は心を柔らかくする努力が必要です。　意識的に、考え方をフレキシブルにするように心がけるぐらいがちょうどいい　のかもしれません。　世の中がうまく回るための、かけがえのない一つの存在になるような生き方　をしたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　　

  2020年09月27日

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• 【男の悲しみ、女の怒り】

  【男の悲しみ、女の怒り】　常冨泰弘氏の言葉から。《男性は、「悲しみ」と「恐れ」を我慢して抑えこみやすく、代わりに　「怒り」を出しやすい傾向があります。　男性は幼いころに転んで泣くと、親から「男の子でしょ、泣かないの」　「それくらい我慢しなさい」と、よく言われたことでしょう。　そして、恐がっているときには、「恐くない！」「もっと強くなりなさい」　と言われてきました。　そうした躾のせいで、男性は、とりわけ「悲しみ」と「恐れ」を素直に　表すことが苦手になってしまいます。　ですから、大人になってからも本当は恐くて悲しいのに、強がって平静を　装ってみたり、出し慣れている「怒り」の感情で対処したりしてしまうの　です。　たとえば、妻にかまってもらえないと、すぐにキレて怒鳴る夫がそうです。　本当は「悲しい」のに、それを素直に出すことができず、日ごろ出し慣れて　いる「怒り」という代理の、ニセモノの感情を出しているのです。　それが問題を複雑にし、解決から遠ざけるのです。　一方、女性は「怒り」を抑えこみやすく、「悲しみ」と「恐れ」を出しやすい　傾向があります。　“女性は、おしとやかで常に笑顔で優しく、か弱くあるべし”という古い　常識にしばられて、怒りを抑えてきた結果、自分の意見をハッキリ主張する　ことができないまま大人になった人は多くいます。　そのせいで、女性は、「怒り」を怒りとしてではなく、普段から表現し慣れて　いる、とまどいや、微笑みに置き換えてしまいがちです。　涙ぐんだり、グチの形で嘆いたり、「恐れ」に置き換えて押し黙ったり、　つくり笑顔を浮かべてしまったりするのです。　これでは、怒っていることが相手に伝わるはずがありません。　下手をしたら、満足していると勘違いされかねません。　比較的、怒りを表に出すことができる女性でも、よほどためこんでからでない　と吐き出さないものです。　女性が正しく怒りを表し、言うべきことをしっかり言うようにすれば、男性は　あっさり理解し、納得することがほとんどです。　本当の感情である怒りを抑えこむから、解決から遠ざかってしまうのです。》　（出典元：常冨泰弘著「自己肯定感が高まる最高の方法」知的生き方文庫）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　感情表現は自己表現でもあり、相手に伝えるにはもっとも重要なものです。　人間同士の関係では、文中にある代理の感情、つまりニセモノの感情と本当の　感情が混在しながらやりとりをするので相手が本気なのか、そうでないのかの　判断がしづらいときもあるでしょう。　しかし、人は本物の感情で、他人と接したほうがストレスは生まれないもの　です。　むしろ、このほうがコミュニケーションは深まり、互いの理解もしやすくなる　ため、ビジネスの場では、本音を出し合える環境をつくることが大事です。　プライベートでも、本当の感情を出し合うべきなのですが、これは各個人の　表現力にも左右されますので、思いやりの気持ちをもって相手を尊重する姿勢　は保っておきたいものです。　ただ、感情の表現をするうえで、気をつけたいのは言葉の使い方、語彙力を　含めた言葉の使い方です。　自分の思いや感情を、言葉に翻訳する前に相手の気持ちを感知できるように　なるのが理想です。　仕事でも家庭でも、いい言葉を使った会話をしたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）　　　　　

  2020年09月26日

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• 【自分に内在する宝物に気づこう】

  【自分に内在する宝物に気づこう】　ジェームス・アレンの言葉から。《黄金やダイヤモンドは、度重なる探鉱と試掘によって発見されるものです。　人が魂という鉱山を深く掘り進めば、その人の本質にかかわるあらゆる真理を　発見することでしょう。　そして、自分が自らの人格をつくり、人生をかたどり、運命を築き上げるのだ　ということを認識するのです。　自分の思考を観察し、管理し、そして変化させながら、自分自身や他人、　また人生や境遇に及ぼす影響を突き止めれば、真実が証明されます。　忍耐強い訓練と探求、そして些細な日常の出来事でも、経験として　積み重ねることによって、原因と影響を結びつける必要がりあります。　このことこそ、自分自身についての知識を得ることです。　つまり、悟りであり、知恵であり、力といったものです。》　（出典元：ジェームス・アレン著「ジェームス・アレンの法則」　　　　　　ピーター・セツ　訳　　（株）イーハートヴフロンティア）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　ジェームス・アレンはイギリスの作家です。　「道は開ける」「人を動かす」の著者でもある、デール・カーネギーに最も　影響を与えた作家です。　この著書は、代表作As a Man Thinketh　というタイトルでロングセラーと　なっています。　ここに紹介した文章には、仏教の教えに似た解釈も見られます。　法華経の教えに「衣裏繋珠」（えりけいじゅ）というたとえ話があります。　あるお金持ちの長者が貧乏な親友とお酒を飲む機会がありましたが、貧乏な　友人は寝てしまいました。　長者は用事があり出かけることになったので、眠っている親友の服の裏に高価　な宝石を縫い付けていきました。　貧乏な友人は目が覚めましたが、長者の友はすでにいませんでした。　数年後、二人は再会しました。　ところが、長者は再会した友が相変わらず貧乏だったのでこう言いました。　「君の服の裏側に宝石が縫い付けてあるのに、どうして気づかなかったのだ」　と言って、その宝石をさして見せたのでした。　その宝石を売ってお金に変えれば、貧乏な生活はしなくて済むと長者は思い、　貧乏な友のために縫い付けたのでした。　この話は、人には内在する宝物（仏性）があるのに、なかなか気づかないもの　である、ということを教え諭しています。　ジェームス・アレンは内在する宝物（仏性）というものを、　「魂の奥にある真理」　という言葉で表現しています。　魂の奥にある真理とは、抽象的でややもすると宗教色の濃い言葉ですが、　現代風に訳せば、隠れた才能・可能性という意味を持つ潜在能力のことです。　そのような能力を発揮するには思考、すなわち考え方が重要であるということ　です。　これは、近代の心理学の世界でも広く知られるように、スポーツ心理学や　ビジネス心理学・マインドフルネスにも応用されています。　人は、自分の思考しだいで、よい人生を築くことができるということです。　まず、自分に内在する力を信じてみましょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年08月21日

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• 【自分の人生に納得する】

  【自分の人生に納得する】◎～人生をふりかえって、　　すべての出来事に納得している人は　　ごく少数です。　　プラスのことも、マイナスのことも、　　数ヵ月、１年、場合によっては２～３年、　　あるいは１０年以上たって、　　ハッと理解できることがあります。～　　　　　　　　　　　　　　　　　（本田　健）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　人が生きていく時、いろんな出来事に遭遇しますが、その出来事にどんな　意味を見いだすかについて、本田　健さんが次のように語っています。《知り合いで、父親が事業に失敗して、3億円の借金を引き継いだ人がいました。　彼は、相続を放棄することもできましたが、父親が作った借金だからといって　自分が一生かけて払うと決めました。　その後、勤めていた会社を辞めて、父親の会社を経営することになりましたが、　まったくの素人からはじめたので相当苦労したようです。　でも、命がけでやったので、その借金をなんとか10年で完済することができま　した。　その後、同じ勢いで会社経営を続けたので、返した借金のぶんが今度はそのまま　貯まっていき、たった数年で資産家になりました。　一時は、借金を残した父を恨んだこともありましたが、10数年後、資産家に　なったことを考えると、今は感謝しかないと言います。　「父は借金を残したのではありません。情熱と本気と稼ぐ力を残してくれた　んです」とさわやかに語る彼の顔は輝いていました。　私たちは、次が見えないとき、「これって、意味があるんだろうか？」と考え　がちです。　そのときはわからないこともたくさんありますが、時が来れば、自ずとその　意味がはっきりすることはけっこうあります。　人生をもっと信頼することができれば、細かなことで悩む機会は減ります。　今の自分にはわからないけど、「今はこれがベストなんだ」とさえわかって　いればいいのです。　あなたも、「これって、どういう意味があるんだろう？」と考えはじめたとき　は、よくわからないけど、「そのうちわかる」と気軽にとらえ直しましょう。　そうすれば、それが感謝とともにわかるときが、やってきます。　『すべてをいますぐに知ろうとは無理なこと。　　雪が解けてくれば見えてくる』（ゲーテ）》　（参考文献：本田　健著　　　　　　　「落ち込んだときに勇気がでる４９の言葉」PHP文庫）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　突然、予想もしなかったことが起きると、どう受け止めていいのかわからない　ものです。　そのようなことも、年月が過ぎていくと冷静な気持ちになって、自分自身を　ふり返ることもできます。　相田みつをさんの詩の中に、　　　あのときの　　　あの苦しみも　　　あのときの　　　あの悲しみも　　　みんな肥料になったんだなあ　　　じぶんが自分になるための　という、有名な言葉があります。　親の残した借金を完済して、しかもそのことに感謝できるような考えを持つ　人のすごさに感服します。　少なからず、自分がかかわる出来事を通して、人は成長していくものです。　どんな出来事にも、最後は感謝の気持ちを持てるような生き方をしたいと　思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年07月15日

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• 【愛する力を育てる】

  【愛する力を育てる】◎～愛する力を育てるためには、　　当たり前と考えていることや、　　人、物を「有り難い」と、　　感謝の気持ちで受け止めることです。～　　　　　　　　　　　　　　　　（渡辺和子）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　渡辺和子さんが愛する力について、次のように語りました。《女子学生たちと５０年以上接していて気がつくことは、この年頃の人たちの多　くが、愛に必要なのは、すばらしい対象に出会うことだと考えていることです。　それも決して間違いではないのですが、その対象が「すばらしさ」を失った時　にも、果たして愛し続けることができるかどうか、ここに「愛の本質」が問わ　れています。　健康だった相手が病気になってしまった時も、前途を嘱望（しょくぼう）され　ていた相手が挫折にあった時にも、その人を愛し続けることができるかどうか　は、私たちが自分の中に、「愛する力」を養い育てているかどうかに、かかっ　ているのです。　エーリッヒ・フロムが『愛するということ』という本の中で、　「愛するということは、単なる熱情ではない。それは一つの決意であり、判断　　であり、約束である」　と、厳しい言葉を述べているのも、この愛の本質を指摘したものと言えるでし　ょう。　マイナスの価値しかないと思えることや、不幸、災難、苦しみにさえも意味を　見出して、これまた「有り難い」と感謝できる時、私たちは愛すべきものを　随所（ずいしょ）に持ち、愛し難い人さえも、その人の存在そのものの価値を　認める、愛深く幸せな人間になれるのです。》　（参考文献：渡辺和子著「幸せはあなたの心が決める」PHP）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　結婚観は昔と今では違いがあります。　時代の流れもありますが、根底には人生に対する考え方、恋愛に対する考え方　が変化しているのでしょうか。　結婚について、ひとつのエピソードがあります。　ある男女の物語です。《「すぐに結婚してください。僕は本気です」　旅行先で知り合い、交際も始めて1年後。　ある女性がプロポーズをされました。　彼女も彼のことが大好きで、その気持ちはとても嬉しかったのですが、結婚を　真剣に考えたことはありません。　「私は本当にこの人と結婚してもいいの？」　心配になって友人に相談すると、　「彼はお金がなくて、いつもあなたがお金を払っていると聞いていたけど、　　彼の仕事は大丈夫なの？　　結婚は恋愛と違って、気持ちだけでは成り立たないわよ。　　経済的なことも真剣に考えて決めないと…」　と言われてしまいました。　友人の言葉通り、彼はアルバイトで暮らしているような状況で、結婚後に　お金で苦労することは明らかでした。　しかし、大好きな彼からのプロポーズに対して、お金を理由に断ることもでき　ません。　悩んだ彼女は実家に帰ると、彼との結婚について、お母さんに相談をしました。　「実は1年前から付き合っている人がいて、プロポーズされたの。　　彼のことは大好きだけれども、仕事が見つからなくて、アルバイトで暮らし　　ているの。　　でも、やる気が無いわけではなくて…」　と必死に説明しました。最後には、　「でも、私、どうしたらいいか分からない」　と叫んで、両手で顔を覆って泣き出してしまいました。　口を出さずに黙って話を聞いていたお母さんは、娘の頬（ほお）に両手を　当ててゆっくりと顔を起こすと、　「あなたが幸せになるために結婚するのなら、考え直しなさい…。　　でも、この人となら一緒に苦労しても良いと思えるのなら、絶対に彼と　　一緒になりなさい」　と、娘の顔をしっかりと見つめながら話しました。　その後、彼女は楽しそうに結婚の準備を始めました。　－中山和義著「人生の目的に気づく24の物語」フォレスト出版ー》　愛するというのは、エーリッヒ・フロムがいうように、　単なる熱情ではなく、決意、判断、約束という感情を超えたものです。　ですから、なぜ愛するかという時に、その答えを持っている人は、感情を　超えた世界から人生を見て行くのです。　つまり、そこにはマイナスとかプラスとかいう比較はなくなります。　マイナスの現実があっても、そこに何かの意味があると思えるとき、感謝と　いう心を働かせることが、愛の力を育てることになるのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年07月14日

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• 【努力とは継続と反復すること】

  【努力とは継続と反復すること】◎～努力する人は希望を語り、　　怠ける人は不満を語る。～　　　　　　　　　　　　　　　（井上　靖）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　元財務省の官僚で、今は弁護士として活躍する、山口真由さんが努力について　つぎのように語っています。　《私はものすごく努力家だと言われます。　　東大法学部を首席で卒業したことや、大学の４年間で162単位を履修し、　　そのすべてにおいて「優」以外をとったことがないことや、大学のときの　　教養科目の平均点が99点を超えていたことを言うと、「天才」のような　　扱われ方をすることがあります。　　私は、自分が東大法学部を首席で卒業したのは当然だと思っています。　　下手をすると傲慢だと捉えられたりもします。　　でも、それでも私は言います。　　誰よりも努力したから、誰よりも大きな成果を得るのは当然だと。　　努力すれば当然手に入れられるものを、どうしてみんながすごいと褒めて　　くれたり、「天才」と持ち上げたりするんだろうと、私は不思議に思って　　いました。　　逆に「努力したから当然だ」と言うと、反感を買ったりすることにも、　　ずっと納得できない気持ちでいました。　　でも、この「努力すること」とは何かについてです。　　私にとって、あることのために努力することは、その何かを「反復・継続」　　することを指します。　　これは要するにアスリートのトレーニングと同じです。　　たとえば、陸上競技の選手は、基本的には１日に何回か走って、それを毎日　　続けると思います。　　重要なことは、まず、何を反復・継続するかを見つけ出すこと。　　それさえ見つかれば、あとはちょっとした工夫でそれを続けることができる　　はずです。　　努力することを「苦行」だと捉える人は、とりわけ苦手な分野において、　　努力することに価値を見い出しがちです。　　ですが、自分が苦手な分野で闘うというのは、それに伴う苦痛が非常に大き　　いわりに、効果はあまり高くありません。　　その結果、決して長くは続きません。　　苦手なものは人並かそれ以下でも仕方がない。　　その分、得意分野でカバーするのが、ひとつの鍵です。　　苦手なことに自ら進んで歩みよる必要はありません。　　具体的に、私の得意分野について書くと、自分の能力の核は、インプットの　　速さと精度、特に「読むこと」にあると自覚しています。　　だから、今までもこの分野を磨くように努力してきました。　　たとえば、限られた時間のなかで、膨大な資料を読み、急いで要点をまとめ　　ることが必要なとき。　　こういう仕事は「きつい仕事」とされて敬遠されがちです。　　けれど私にとっては自分の能力を発揮できるまたとない機会。　　だから、そういう仕事には積極的に手を挙げて、ここぞとばかりに読んで読　　んで読みまくることにしています。　　もし、自分が何でもそつなくこなせるオールラウンダーだと自覚している　　ならば、「バランス力」の分野にかけて、その分野で「とんがった人材」に　　なるのも一つの方法です。　　「バランス感がいい」というのは、特に立場が上になるに従って、とても　　重要になる能力だと思います。　　時間は有限です。　　もし、今、自分の苦手分野を克服しようと一生懸命トライしているならば、　　その情熱とエネルギーのすべてを、得意な分野の力をさらに伸ばすことに　　今すぐ切り替え、とがったプロフェッショナルとしての立ち位置を確立する　　ことを強く勧めます。　　（参考文献：山口真由著　　扶桑社　　　　「天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある」）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　努力の価値は苦行にある、ということではありません。　できれば、楽しむぐらいの気持ちがあればよいのでしょうが、得意なことには　不思議なもので、苦しいという気持ちは生まれないのです。　得意なことの中の一部に、苦手なことがあるにしても全体からみれば圧倒的に　得意なものが占めているはずです。　長所伸展法というのは、吉田松陰が得意とした教育法です。　船井幸雄さんも、長所を伸ばしていくうちに、欠点が長所に呑み込まれていき　いつの間にか欠点が消えていく、これが長所伸展法であると語っています。　つまり、苦手なことや欠点といわれることに意識を向けていくよりも、得意な　ことを繰り返し、反復したほうがよいのです。　たとえ話に、ある人が汚れた手を、ゴシゴシと洗ってもなかなか手がきれいに　ならなかったが、汚れたぞうきんを洗っていたら、いつのまにか手もきれいに　なっていた、というのがあります。　長所を伸ばすと、短所は気にならなくなり、気づきにくくなるのです。　好きなことや長所を継続して、反復することが楽しいと思えるなら、努力も　また楽しいものになるでしょう。　楽しく努力できる人は、みんな天才になれそうです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）　

  2020年07月03日

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• 【運は自分で動かすもの】

  【運は自分で動かすもの】◎～“運は自分で拓くもの”　　“運は自分で呼び込むもの”つまり、　　運は天が定めたものではなく　　自力で動かすものなのです。～　　　　　　　　　　　　　（やなせたかし）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　やなせさんは、運について次のように語っています。　《この世界は、「運・鈍・根」なんです。　　ですから、「運」がよくなくっちゃいけない。　　そして、あんまり器用に、何でも簡単にできるっていうんじゃなく、　　いくらか「鈍」であって。　　それからあと大事なのは、「根」　　つまり、根気よくやらなくっちゃいけない。　　それがあれば、どんな人でも、ある程度のところまではいけるんです。　　満員電車に乗っていても、いずれ席は空く。　　自分の座る席が必ずどこかに空くんで、その時、座ればいいんです。　　「運」は、自分でつかまなくちゃいけない。　　このつかむということは、例えば漫画を描いているとすれば、仕事が　　こなくても、絶えず描いていなくちゃいけないんです。　　そうしないと、運は巡ってきません。　　やめてしまえば、そこで終わり。　　必ず続けていなくちゃいけない。　　すると、何かしら運というのはやってくるんです。　　その時に、パッとつかむんです。　　ただ、つかむためには、自分がやり続けていないといけない。　　ある、バレエの評論家が、　　「やなせさん、私はこの頃仕事がすっかりなくなって、いったどうすれば　　　いいでしょう」って聞いてきた。　　僕は、　　「それはねえ、あなたにとっていいんじゃないですか。　　　いま、時間がたくさんあるでしょう。　　　それを一生懸命やればいいんですよ」と言ったんです。　　それから二年くらい経って、その人に会ったんです。　　「やなせさん、ありがとうございました。　　　じつは、言われた通り、私は仕事じゃなしに、やり残していたバレエの　　　の研究を始めたんです」って言うの。　　すると、その研究をやっているうちに、仕事がどんどんくるようになった。　　そういうものなんですね。　　つまり、やっている人のところには、なぜかくるんだ。　　何もしていない人のところにはきません。　　絶えず、自分がやっていないとダメなんです。　　どんな状況になっても、やり続ける。　　その場を楽しむように。　　それと根気なんだよね。　　やっぱり、根気がないとダメなんだ。　　僕は、もっと若い頃に世に出たかったんです。　　ただ、遅く出てきた人というのは、いきなりダメにはなりません。　　こんなことをしていていいのかと思っていたことが、みんな勉強になり　　役に立っていく。　　人生にムダなことなんて一つもないんですよ。　　（参考文献：やなせたかし著「何のために生まれてきたの？」PHP）　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊　運を拓くには、器用なよりも不器用なほう（鈍）がよい。　そして、一番大事なのは、継続するということ。　やなせさんは、他の著書にも、　「継続は力なり」「継続は運」だと言い切っています。　運というのは、目に見えませんが、自分の周りをグルグル巡っている。　周りといっても、時には少し離れることがあるかもしれませんが、運自体は　誰かにつかんでほしくて巡っているのです。　あとは、継続することでチャンスが生まれる。　これが、運を拓いていく、運を動かすということです。　幸運という運が、あなたの所に行かせてください、というぐらい動くように、　やるべきことを続けたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年06月30日

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• 【プライド】

  【プライド】◎～プライドには　　良いプライドと悪いプライドの２種類がある　　良いプライドは　自尊心を表し　　悪いプライドは　うぬぼれや高慢を表す～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ジョン・C・マクスウェル）　西武ライオンズの元監督の広岡達朗さんが、監督をしていた時、選手には　技術的なことは教えないで、基本ばかりをやらせていました。　その理由ですが、監督は、基礎を作らずに目の前のプレーだけにこだわると、　結局は本当の技術が身につかず、チームに貢献できる結果も残せない、という　信念があったからです。　ある選手は、毎日、素振りばかりを何百回もやらされたといいます。　この選手は、それまでも十分な結果を出していました。　本人は思ったそうです。　「監督はちょっとおかしいんじゃないか…」と。　本人にしてみれば、昨日今日入団した新人じゃないのに、基本だ、基本だと　言われてもできるはずはない、という気持ちです。　そう思いながらも、いやいやながら続けました。　ところが、毎日１年間500回以上の素振りを続けた頃、それまで見えて　いなかった球がはっきり見えるようになったのです。　この時、広岡監督の言う『基本を大事にする』ということの意味がわかった　いうのです。　この考えはしだいに選手たちに浸透して、西武ライオンズの黄金時代が築かれ　たといわれています。　プライドは人間のモチベーションを上げるために、なくてはならない心的な　要素の一つです。　とくに、業種に関係なくどんな世界であってもプライドという、内面的な　ものは外からわかるものではありません。　それだけ、選手自身の心構えにかかっているといえます。　これは、人生においても同様です。　しかし、人間として持つべきプライドも、捨てるべき時には捨てる勇気が　必要です。　プライドを良いものにするか悪いものにするかは、本人しだい。　謙虚さのある良いプライドを持つ人でありたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年06月04日

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• 【つらいときほど笑おう】

  【つらいときほど笑おう】◎～楽しいから　笑うのではない　　笑うから　楽しいのだ　　　　　　　　　　　　　　（ウィリアム・ジェームズ）　楽しい時は、自然と笑顔になれるものです。　しかし、何かで失敗したり、計画が予定通りにいかない時は、楽しいことが　あっても、笑うことができないものです。　ただ、笑えるような心境ではなくとも、意図的に笑顔になることで気持ちが　ほぐれ、楽になることはあります。　金八先生で有名な、武田鉄矢さんは上京はしたものの、鳴かず飛ばずの時代　が続いていました。　ある日、実家の博多に帰ってきました。　そして、お母さんに「もう、歌をやめる」と言ったそうです。　すると、お母さんは「やめるな！」と言いました。　そのあと、コップに酒を注いで、高々と掲げて叫びました。　「鉄矢さん、成功おめでとうございまーす！　カンパーイ！！」　鉄矢さんは驚きました。　「めでたかことは、なーんもなかばい」　お母さんは「とにかく、先祝いたい」と答えました。　ポカーンとしている鉄矢さんに、お母さんは、　「おまえには貧乏神が憑（つ）いてる。　　でも、乾杯すればその貧乏神はここまで苦しめているのに、まだおめでとう　　とか言ってるよ、と拍子抜けして離れていく。　　だから、芝居してお祝いするんだ」　　その夜は、親子で祝杯をあげたわけです。　　すると、このあと、歌が売れ出し一躍有名になりました。　　これは日本古来の「予祝」ということを鉄矢さんは後で知ったそうです。　　ツイていないと思える時も、笑顔を心がけていればしだいに幸運は寄って　　くるものです。　　いつも笑う心を忘れないでおきたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年06月03日

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• 【求められないものが与えられる意味】

  【求めないものが与えられる意味】　◎～『悩める人々への銘』　　　大きなことを成し遂げるために　強さを求めたのに　　　謙遜を学ぶようにと　弱さを授かった　　　偉大なことができるようにと　健康を求めたのに　　　より良きことをするようにと　病気を授かった　　　幸せになろうとして　富を求めたのに　　　賢明であるようにと　貧困を授かった　　　世に人々の賞賛を得ようと　成功を求めたのに　　　得意にならないようにと　失敗を授かった　　　人生を楽しむために　あらゆるものを求めたのに　　　あらゆるものを慈しむために　人生を授かった　　　求めたものは　一つとして与えられなかったが　　　願いはすべて聞き届けられた　　　私は　もっとも豊かに祝福されたのだ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（作者不詳）～　この詩は、アメリカのあるリハビリセンターの壁に掲げられている詩で、　作者は、南北戦争に従軍した兵士の作ではないかと言われています。　日本では2002年に、地方新聞のコラムで紹介されたことがきっかけになり、　多くの人に知られるようになったそうです。　私たちは、生きていく上で何か一つでも不足するものがあると、そこだけに　注視して、○○さえあればと思ってしまいます。　一つの不足を“不幸の元”にしまいがちです。　他に目を向ければ、たくさんの“幸福の元”はあるのに、です。　それどころか、求めてもいないものが、与えられる時さえあります。　その与えられるものというのが、詩にある、弱さ・病気・貧しさ・失敗です。　しかし、人間はそれらに負けてしまうような存在ではありません。　見渡せば、そういう艱難辛苦と言われるものとうまくつき合いながら、幸せに　生きている人はたくさんいるのです。　つまり、人は望みがかなえられなくても、不幸とは限らないのです。　誰の目から見ても、不幸と呼ばれる環境のもとにあったとしても、心の方向は　前に向けることができる。　これが、人間のすごさだと思います。　書家の武田双雲さんが、どんなに大変な人生でも、まず、　『私は幸せなんです！』と断言することをすすめています。　その次に、『なぜならば』という言葉を出したり、思うと『幸せの理由』を　自分の脳が探し出そうとする、と語っています。　『幸せの理由』を探し出した時、幸せであることに気づくのです。　現実や環境が問題ではなく、「今の自分が幸せです」という心になること。　これが大事なことです。　どんな環境であれ、自分の心をうまく明るい方向に持っていけるような人間で　ありたいものです　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年06月02日

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• 【母の愛】

  【母の愛】◎～母は、私の最高の教師でした。　　思いやりや愛、恐れずに立ち向かうことを　　教えてくれたのです。　　愛が花のように香しいのならば、　　母こそ、その香しい愛の花でした。～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（スティーヴィー・ワンダー）　北陸地方随一の冠婚葬祭チェーンを育て上げたオークスグループの創業者、　奥野博さんは1922年、富山県に生まれました。　戦後軍隊から復員し、商社勤務などを経て、兄弟親類に資金を出してもらい、　事業を興したのは30歳の時でした。室内設計の会社でした。　しかし、40歳の時に会社は倒産します。　奥野さんは、迷惑をかけた方たちに顔向けができず、妻が経営する美容院の　二階に閉じこもり、なぜこういうことになったのか、考え続けました。　浮かんでくるのは、あいつがもう少し金を貸してくれたら、あの取引先が手形　の期日を延ばしてくれたら、あの部長がヘマをしなければ、あの下請けが不渡　りを出していなかったら、といった恨みつらみばかり。　後になって思えば、その時はすべてを他人のせいにして、自分で引き受けよう　としない生き方をしていた、と語っています。　そんな時、早く亡くなった父親の三十三回忌法要の案内が来ました。　倒産後、実家には顔を出さずにいたのですが、法事に行かないわけにいかない　と思って行くことにしました。　実家に行くと、案の定、しらじらとした空気が寄せてきました。　無理もありません。そこにいる兄弟や親族は、私の頼みに応じて金を用立て、　迷惑を被った人ばかりなのですから。　まさに、針の莚（むしろ）です。　視線に耐えて隅のほうで小さくなっていたのですが、とうとう母のいる仏間　に逃げ出してしまいました。　84歳の母が「いまどうしているのか」と声をかけます。　「これから絶対失敗しないように、なんで失敗したのか徹底的に考えている　　ところなんだ」と答えました。　すると、母親が口を開きました。　「そんなこと、考えんでもわかる」　「何がわかるんだ」と、奥野さんは聞き返しました。　（母）「そんなこと、考えんでもわかる。聞きたいか」　（奥野さん）「聞きたい」　（母）「なら、正座しなさい」威厳に満ちた迫力のある声でした。　お母さんは、続けてこう言いました。　「倒産したのは会社に愛情がなかったからだ」　奥野さんは、心外でした。　自分のつくった会社です。誰よりも愛情を持っていたつもりです。　「あんたはみんなにお金を用立ててもらって、やすやすと会社をつくった。　　やすやすとできたものに愛情など持てるわけがない。　　母親が子どもを産むには、死ぬほどの苦しみがある。　　だから、子どもが可愛いのだ。　　あんたは逆子で、私を一番苦しめた。だから、あんたが一番可愛い」　　お母さんの目には涙があふれていました。　「あんたは逆子で、私を一番苦しめた。だから、あんたが一番可愛い」　奥野さんはこの母の言葉が胸に響きました。　この時のことを奥野さんは次のように語っています。　『母は私の失態を自分のことのように引き受けて、私に身を寄せて悩み　　苦しんでくれる。愛情とはどういうものかが、痛いようにしみてきました。　　このような愛情を私は会社に抱いていただろうか。　　いやなこと、苦しいことはすべて人のせいにしていた自分の姿が、　　浮き彫りになってくるようでした』　奥野さんは「わかった。お袋、俺が悪かった」と言い、両手をつきました。　ついた両手の間に涙がぽとぽととこぼれ落ちました。　この涙で、奥野さんは再起して、地元でも大きなオークスグループの経営者　となっていきました。　（奥野さんには著書『恩の経営』『恩の人生語録』があります。　　ともに致知出版社から出ています。）　母なる愛を、忘れることなく思いやりのある人になりたいと思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年06月01日

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• 【逆境は希望の種である】

  【逆境は希望の種である】◎～不運ばんざい！　　運の女神に見放され　　この世の最低の境遇に落ちたなら　　あと残るのは希望だけ　　不安の種も何もない～　　　　　　　　　　　　　（シェイクスピア）　これは、450年も前のシェイクスピアの言葉です。　今の時代でもひきつけられるものがあります。　今日は、「リコー三愛グループ」の創始者、市村　清さんの話です。　日本では昭和の初めの頃は、現代のような複写機はない時代でした。　そんな中、まだ感光紙を使ってコピーをする方法から、いち早く複写機をデジ　タル化した企業を起こしたのは市村　清さんです。　市村さんは、1900年に佐賀県に生まれました。　幼少の頃から頭がよく、当時名門の佐賀中学校に入学しました。　しかし、家は貧しく２年で中退しなければなりませんでした。　その後、行商で野菜を売りながら働き、生家の暮らしを支えました。　銀行に就職できたことから、中央大学の夜間部に入学することにしました。　その後、1922年に日中合弁で大東銀行を設立する事業に誘われ、北京に行く　ことになります。　ところが、昭和金融恐慌の影響を受け5年後には、大東銀行が閉鎖されること　になるのです。　やむなく日本に帰国しますが、市村さんは保険のセールスマンとして新しい　仕事に就くことにしました。赴任先は熊本です。　市村さんにとって、この保険セールスの仕事は困難なものでした。　当時は、今のような生命保険に加入する人はそう多くはなく、保険という　仕組み自体がまだ認知されていない時代だったのです。　　セールスのために家々を訪問しても成果は上がらなかったといいます。　歩合制ですから、契約が取れなければ収入はゼロです。　その年も終わりに近づいてきましたが、契約はとれませんでした。　ただ、見込み客への訪問は、何度も繰り返すという努力は続けていました。　大晦日の夕方、ついに契約もとれない、とあきらめて家に帰ろうとしますが、　ふと、ある家を訪問したくなり、夜も遅い時間でしたが訪ねてみることにしま　した。　玄関の電気が消えていれば、迷惑だろうからそのまま帰ろうと思ったそう　です。　そのお宅に行くと、電気は灯っていました。　申し訳なさそうに、玄関を開けるとご主人が出てこられました。　すると、ご主人のほうから、　「年内に、保険に入る手続きをしておこうか、と家内と話していたよ。　　それで、加入するなら市村さんのところにお世話になろうと思っていた。　　ちょうどよかった」　と言われ、契約できたのでした。　この時、市村さんはあきらめなくてよかった、と痛感したそうです。　これがきっかけになり、翌年から契約が増え、社内でもトップの成績を上げる　ようになっていきました。　その後、理化学研究所のコピー用の感光紙を販売する、代理店の権利を譲り受　けることにもなったのです。　そこでも市村さんの営業成績は、全国の売り上げの半分以上を占めるまでに　なり、独立することに決めました。　1945年、終戦を迎え「人を愛し、国を愛し、仕事を愛す」の『三愛主義』　を理念として、『三愛』を設立し、今では世界的なO A機器メーカーとして　の基礎を築きました。　今でも、銀座４丁目にある、『銀座三愛ビル』は地元のシンボルとして親し　まれています。　このビルを建てる時ですが、こんなエピソードありました。　当時、地権者の方との交渉が難航したそうです。　何度も交渉に来る三愛に、自分から断りの話をしに行こうと地権者の老婦人　が会社に来られたのですが、その日は大雪で足元が大変悪かったそうです。　その婦人が受付を訪れた時、彼女の濡れた足を見た女性事務員はすぐに、自分　のスリッパを履かせて、抱きか抱えながら３階の応接室に案内したのでした。　この応対に感激した地権者の老婦人は、売却に応じることを決めたそうです。　『三愛主義』の理念が、社員にも徹底していたのです。　市村さんのその人柄に、教えを請う経営者・文化人も多くソニーの盛田昭夫、　東急の五島昇、文化人の今東光、将棋界の升田幸三などの人からも慕われ、　薫陶を与え、「市村学校」と呼ばれていました。　市村さんの口ぐせに、　「できない理由を考える前に、できる方法を考えてくれ」　という言葉があります。　―逆境や困難の後に残るのは希望しかない―　時代を超えて、この精神は普遍的なもののようです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月30日

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• 【挑戦すれば信念が強くなる】

  【挑戦すれば信念が強くなる】◎～あせるな　　いそぐな　　ぐらぐらするな　　馬鹿にされようと　　笑われようと　　自分の道をまっすぐゆこう　　時間をかけて　　みがいてゆこう～　　　　　　　　　　　　　　　（坂村真民）　悔いのない人生を送るには、たとえ失敗して泥まみれになっても、夢のために　挑戦していく信念が必要です。　カジュアル衣料では人気のある「ユニクロ」の創業者・柳井　正さんは会社　の基盤を作るまでに長い歳月を要しました。　大学卒業後、ジャスコに就職しましたが９カ月で退社し、実家の経営していた　紳士服の販売店で仕事をすることにしました。　当時は郊外型の店舗が業績を拡大していた時期でもあり、柳井さんの店は安価　でカジュアルな衣料を売りたいという夢を持つようになりました。　35歳の時、父親の後を継ぎ、社名を「ユニクロ」（略称）としました。　「ユニーク・クロージング・ウェアハウス」が本来の名称で、　「ユニークな衣料（c l o t h e s）のある店」という意味があるそうです。　広島に１号店をオープンしました。　当時は、知名度がまったくありません。　そこで、若者が来店しやすい時間を考え、早朝６時30分に開店することにし　しました。　若い客層に来てもらうには、他の店のように10時開店では無理です。　そこで学校に行く前になら来てもらえると考えたのです。　チラシを配り、ラジオでの宣伝も行いました。　主に有名ブランドを安価で販売しましたが、その安さが逆効果となり、消費者　の間では、ユニクロで服を買うのは恥ずかしいという評判もあったそうです。　中には、店の周りではユニクロ専用の買い物袋を持ち歩くのが恥ずかしいと、　別の袋に入れ替える人もいました。　また、衣料業界は委託販売が主流でしたので、販売価格は仕入れ価格で決まる　ため、競争力の激しい世界で生き残るのは大変でした。　このままではいけないと、柳井さんはユニクロ独自のオリジナル商品を開発　しようと決めました。　そこで、オリジナルの商品を作りましたが、価格が高かったこともあり大量に　売れ残り失敗に終わります。　こういう時は、挫折しても当然の気持ちになります。　柳井さんが、それでも前進できたのは、『安価で、ユニークな衣料』を消費者　に届けるという、信念があったからにほかなりません。　その状況下で、店舗数を増やし、取り扱う商品を増やしていきました。　そして、柳井さんが49歳の時、原宿に都心１号店をオープンさせました。　この時、1900円で売り出した「フリース」が大ヒット。　「フリース」はユニクロの代名詞になりました。　その後、「ヒートテック」も、年齢に関係なく愛用されるようになりました。　柳井さんは、自分のモチベーションについてこう語っています。　「私は、お金儲けをしたいとは思わない。　　また夢とか目標とか、高尚なものじゃなく、服屋としてどこまでいけるか。　　登山家と同じです。　　そして、仕事は団体競技。当社にいる11万人の従業員さんと一緒にチーム　　プレイできること。これが楽しい」　信念を持ち続けると、最後は仕事が楽しくなるということです。　つまり、人生が楽しいということにも通じます。　過程において失敗しても、次のステップに昇る意欲があれば、目標に近づく　ことはできるものです。　信念のある人生を送りたいと思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月28日

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• 【困難が来た時、チャンスが埋め込まれる】

  【困難が来た時、チャンスが埋め込まれる】◎～悲観論者はチャンスの中に困難を見るが、　　楽観論者は困難の中にチャンスを見る～　　　　　　　　　　　　　　　　　（イギリス元首相　チャーチル）　苦しいことがあると、その対応で頭も体もいっぱいになってしまいます。　そんな時、その人の性格や考え方がよく分かるものです。　苦しい時ほど、希望をもって生きることが必要だとわかっていても、実際は　そう簡単にはいかないものかもしれません。　ただ、希望というものは、現実を受け入れようとする決心のような気持ちから　湧き出るものではないでしょうか。　以前、日本を代表する帝国ホテルで料理長を務めた村上信夫さんという方が　いました。　村上さんは1921年、東京・神田で食堂を営む家に生まれました。　しかし、関東大震災でお店は全焼。その後11歳の時に、ご両親は相次いで　結核で亡くなりました。　12歳で小学校を卒業し、すぐに浅草のコーヒー店やレストランなどで働き　18歳の時、帝国ホテルに見習いとして採用されました。　配属先は調理場の鍋を洗ったりする、雑用の仕事です。　村上さんは、日本一のコックになるという夢がありました。　一流ホテルの料理の味がどんなものか知ることができると思って、ワクワクし　ていましたが、現実は厳しいものでした。　先輩コックは、鍋の底に残ったソースの味を盗まれたくないので、粉せっけん　を入れたものを洗い場に回すのです。　雑用の時でも、残ったソースをなめようとするとゲンコツが飛んできました。　村上さんは、どうすれば先輩コックの味を知ることができるか、考えました。　そこで、鍋を洗う時、鍋の外側があまり綺麗ではないことに気づき、自分で　鍋の外側を磨こうと思ったのです。　磨き砂とお酢と塩を使って、休み時間を返上して、毎日磨き続けました。　鍋の数は全部で300個。ほとんどは重い銅鍋ですから、簡単にはいきません。　すべて磨き終わるまで３か月かかりました。　調理場にピカピカの鍋がそろいはじめた頃、ソースが少し残った鍋が村上さん　のところに回ってきました。　回してくれた先輩コックは、ウインクをしてくれました。　「なめてもいいぞ！」　という合図だったのです。　それがきっかけになり、先輩コックは口頭では教えてくれませんが、　「よく見ていろ！」と言いながら、村上さんに指導してくれたのです。　しかし、戦争で徴兵され、終戦後もシベリアに抑留され帰国し復職できたのは　26歳の時でした。　34歳の時に、ベルギーの日本大使館に料理担当で出向し、その後フランス、　パリのホテル・リッツで研修を受けるまでになりました。　その後、1964年の東京オリンピック女子選手村の食堂の料理長で活躍し、　また、パリのホテル・リッツへ。　48歳で、帝国ホテルの料理長に就任しています。　その後も、NHKの料理番組に出演、自伝のドラマも放映されたとのことです。　村上さんは、バイキング方式を日本で初めて行ったことで知られています。　村上さんは、料理の極意は「研究」と「愛情」と「真心」だと言います。　そして、コックは感謝の気持ちが大事だとも言います。　本来、のんきな性格だそうですが、どんな時も「前を向く」ことを心がけた　そうです。　反面、『味に苦しみ　味に泣き　味に一生を捧げる』という信条を持っていま　したが、根底には『喜び』があったとも語っています。　81歳からパソコンを始めたそうですが、それも自分のレストランをオープン　するためだったとのことです。　楽観的に生きるということは、勇気が求められます。　それは、前を向く勇気です。　前を向いていれば、困難な状況下でもチャンスを見つけることができます。　前を見て生きる人生に徹したいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月25日

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• 【誰かのため、何かのための精神】

  【誰かのため、何かのための精神】◎～損得だけで物事を考えてしまうと、　　成果が出にくいので長続きしません。　　自分のためだけにがんばっていると　　必ず限界が訪れます。　　「これは世の中のために必要である」という大義名分は、　　自分の限界をはるかに超えた力を引きだし、　　努力も報われます。～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（青木仁志）　人間関係を損得の計算だけで回していこうとすると、一時的にはうまくいく　こともありますが、長く続くことはありません。　また、そのような関係だけで生きていても、心の底から満足することはでき　ないものです。　これは、人間が本来もっている道徳心というものがあるからでしょう。　もちろん、現実社会では、損得勘定の感覚がなければ取り残されてしまう　一面もあります。　しかし、このような社会であっても、成功者と呼ばれ幸福な人と言われる人　は、必ず、損得勘定の世界を超え、輝いているものです。　稲盛和夫さんは、日本を代表する企業の経営者の一人ですが、稲盛さんが　まだ高校生の頃に次のようなエピソードがあります。　稲盛さんの生家は、印刷業を営んでいました。　しかし、戦争での被害を受け、印刷工場は消失したのでした。　当時、稲盛さんは学校が終わると友人たちと野球ばかりしていたそうです。　家計も苦しかった中、そんな稲盛さんを見て、お母さんは、　「いっしょに遊んでいる友達の家のように裕福ではないのに、遊んでばかり　いるなんて……」と、嘆いていました。　それを知った稲盛さんは、反省してあることを思いつきました。　もともと、印刷業だった家の仕事ですが、戦前は別に紙袋を作る仕事もして　いたそうです。　当時は、今のようなレジ袋のようなものはなく、モノによっては新聞紙で　包んで商品をお客に渡すか、お菓子のようなものは紙袋に入れたりしていま　した。　稲盛さんは、お父さんにもう一度紙袋を作ってもらうようにお願いし、その　紙袋を自分で自転車に積んで、近くのお菓子やさんなどに売りに出るように　しました。　これは、一つの行商のようなものです。　これは、稲盛さんが母親の悲しみを知りどうにかしたいという“利他の心”　の表れといえるでしょう。　平日は学校が終わってから、日曜日は朝から夜まで行商したといいます。　やがて、販売を地区別に分けて効率よく行商をしていくうちに、たくさん　売れるようになり、人を雇わなければならないように繁盛したそうです。　この体験が、稲盛さんの企業経営の原点になっていると後日語っています。　　それは、単なる紙袋の製造と販売の発想は、家族の家計を助けたい、母を　喜ばせたいという、「誰かのため、何かのため」の考え方です。　これを「善なる動機」と、稲盛さんは言います。　人生において、自分の夢や目標を考える時、まず、自分自身がその仕事が　好きであるかどうか、これが大事です。　しかし、好きではなくてもその仕事をどうしてもやらなければいけない　場合もあります。　たとえば、親の会社を継がなくてはならない時などです。　それでも、「誰かのため、何かのため」という別の判断基準で考えるべき時　もあります。　それは、自分の好き嫌いの世界を超えた崇高な世界です。　この気持ちになって、物事を見たり、取り組んでいくと、人間としての成長　もでき、至福な気持ちを感じることができます。　さらに、自分が思っていた以上の力が生まれるものです。　『与えよ、さらば与えられん』、という言葉がありますが、まさにこのことを　意味しています。　損得の計算だけで生きるより、まず何かを与える人でありたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月23日

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• 【言葉はエネルギー】

  【言葉はエネルギー】◎～言葉は生きています。　　その人が人生の折々に、いいタイミングでいい言葉に出会えば、　　きっと人生が変わる。　　短所を長所に変えていくエネルギー。　　それが言葉です。～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（鎌田　實）　鎌田さんは続けて語っています。　＜いつも、人間は絶望して生きてきました。　　絶望の中でも、言葉を探して絶望から抜け出してきたのです。　　だから悩んで下さい。迷って下さい。　　悩みや迷いも才能なのです。　　悩みや迷いも才能だ、と口にしたときから、悩みや迷いも肯定的に受け入れ　　られ、そこから脱出する力が湧いてくるのです。＞　精神科医の斎藤茂太さんも、「いい言葉はいい人生をつくる」ということを　多くの著書で力説しています。　心が弱くなっているときは、なぜか思い考える言葉もマイナスの言葉を使って　います。　しかし、そういうとき、真逆のプラス言葉を使うと元気になったという経験は　だれもがしたはずです。　それは、悩んでいても落ち込んでいても、そこから抜け出したい、と心の底で　願っているからなのです。　さらに言えば、私たちは幸せな自分でありたい、という欲求が本能的にあると　いうことです。　よい言葉を大切にする人生であるなら、幸せになれないはずはありません。　悩みがあり、迷いがあっても、よい言葉を使うことはできます。　それは、口ぐせによって習慣化できるものです。　よい言葉を自分の味方にする人でありたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月22日

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• 【みんなには役割があります】

  【みんなには役割があります】◎～『使命』～　　まっ黒い　ぞうきんで　　顔はふけない　　まっ白い　ハンカチで　　足はふけない　　用途がちがうだけ　　使命のとうとさには変わりがない　　ハンカチよ　高ぶるな　　ぞうきんよ　ひがむな　　　　　　　　　　　　（河野　進　　詩集「ぞうきん」より）　モノにはそれぞれ使われる用途があります。　ただ、その使い道に上下はありませんし、優劣もありません。　それぞれの場所で使われ、役割を果たすことが尊いということです。　私たち人間も、日々の生活に追われることが当たり前になり、自分の仕事の　素晴らしさを忘れてしまいがちです。　かりに、今の仕事がほんとうにやりたい仕事ではないにしても、その仕事自体　には社会的な意味で何かの役割があるものです。　自分の仕事の価値が理解できれば、仕事に対する意欲もあがっていくにちがい　ありません。　ただ、若い人ほど自分のやりたいことと仕事の内容が合っているか、深く考え　る機会はそう多くはなさそうです。　船井幸雄さんは、自分の特性をよくつかむことで、好きな仕事にもつきやすい　と語っています。　そのためには、次のことを洗い出してみることをすすめています。　１、自分の性格の長所　２、自分の得意なこと（子ども時のことも含めて）　３、自分の信条　４、今までのめり込んだこと　５、やっていて飽きないこと、苦にならないこと　６、やってみたいとあこがれていること　以上ですが、すべての項目が満たされなくても、自分の特性を知ることは　できます。　自分の特性を知ることで、好奇心も刺激され視野も広がることになり、自分で　も気づかなかった一面が浮き彫りになるかもしれません。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月21日

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• 【問題解決のコツ】

  【問題解決のコツ】◎～大きな問題というのは、　　たった一つで構成されているのではない。　　別のさまざまな問題が複合されている。　　問題をジャンルに分け、細分化することで、　　解決法は自然に浮かび上がるものだ。～　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ロバート・シュラー）　アメリカの３５代大統領、ジョン・F・ケネディは、月に人類を到達させる　計画を実行に移した歴史的な人物です。　３４代大統領のアイゼンハワーも計画は立案しましたが、着手するまでには　至っていませんでした。　ある時、マクダネル航空会社の社長、ウォルター・バークという人がケネディ　大統領から呼ばれました。　「月に人間を着陸させたい」　アポロ計画と言われるものです。　当時の世界は、アメリカとソ連（今の、ロシア）との宇宙開発戦争の時代と　呼ばれていました。　ケネディはどうしてもソ連よりも先に月に到達したいと考えていました。　ケネディの依頼を受け、ウォルターは実行に移します。　まず、ウォルターはこの不可能と思われる夢を実現させるには、宇宙船を　無重力圏に突入させるための強力なロケットが必要だと考えました。　そのために生じる大きな問題を２０のジャンルに分類しました。　それを、自分の力でできるものと、他の人の力を借りなければできないものに　さらに分類したのです。　その分類を基本に系統立てて、一つずつ障害を乗り越え、最後に残された課題　は、引力に負けないで軌道に乗るパワーのあるロケットを作ることでした。　そのロケットが完成した時、ウォルターはこう述べたといいます。　「あの時は嬉しかった。全エネルギーをたった一点にしぼればよかった。　　あとは時間の問題だと思った」　そして、１９６９年、人類最初の月面着陸は成功することになりました。　今では、宇宙ロケットの開発の技術は日々向上していますが、当時は大変な　労力が必要な時代でした。　技術的な問題に限らず、多くの問題解決の糸口は、見つけようとする人間の　心しだいで決まるものです。　問題を遠くから見たり、近くから見ることで、見え方がその都度変わって　いくため、自然に柔軟な考え方が養われていくようになります。　複雑なことでも、シンプルに見ていく力を身につけましょう。　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月20日

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• 【希望が人生を支える】

  【希望が人生を支える】◎～希望が逃げても　　勇気を逃がすな。　　希望はときどき、私たちをあざむくが　　勇気の力は息吹なのだ。～　　　　　　　　　　　　（ブーテル・ヴェク　ドイツの哲学者）　書道家の金澤翔子さんは、現在３５歳ですが書道界では有名でファンの方も　多く、２０歳から個展を催しその書体には魅了されるものがあります。　２０１２年の大河ドラマ『平清盛』の題字を揮毫したことで、さらにその　実力も評価されるようになりました。　ダウン症児として生まれましたが、お母さんの泰子さんは娘の将来を案じて　翔子さんと死のうと悩んだこともあったそうです。　泰子さんはもともと書道家で、翔子さんもきれいな字を書いていました。　般若心経をお手本に練習していたそうです。　あるとき、母、泰子さんの講演会に同行していた翔子さんが、会場で泰子さん　の書いた本を「悲しい日記本です」と言いながら、販売していました。　その本は、娘である翔子さんがダウン症であることがわかり、母親として悩ん　だ当時のことを書き綴ったものでした。　泰子さんは、本を売る翔子さんに近寄り、　「どうして、悲しい本なの？」と聞きました。　翔子さんは、答えました。　「お母様は私が生まれて、いっしょに死のうとしたでしょう。　　私は、私の赤ちゃんと死のうとは思わない、生きる！」　これを聞いた泰子さんは驚きました。　難しい本は読めないだろうと思っていましたが、自分の知らないところで読み　内容を理解していたことを知りました。　また、娘には言えなかった自分の心の奥を知られたことに、複雑な思いはあり　ましたが、それ以上に、抽象的な表現もある本の内容を理解している知性も　しっかり持っていることが喜びでした。　娘の将来を案じていました、これなら大丈夫、と自信を持ったそうです。　翔子さんは、母親の背中を見ながら自分なりの希望を持ち、自分の可能性を　追及し続けています。　　希望を持ち続けるには、勇気が必要です。　負けそうな時も、前を向く力があれば、希望は見捨てないのだと思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月19日

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• 【本気で努力する人になろう】

  【本気で努力する人になろう】◎～成功者の言葉しか世の中には残らないから、　　「やればできる」が格言になる。　　夢は叶わないかもしれない。　　叶えるための努力は無駄に終わるかもしれない。　　でも、何かに向かっていたその日々を、　　君はたしかに輝いて生きていたのではないか。～　　　　　　　　　　　（為末　大・400ｍハードル元オリンピック選手）　努力しても、結果が出ない時があります。　やっていることが正しいのだろうか？　と不安になることもあります。　ここしばらく大相撲を見ることできませんが、苦労して横綱になった　稀勢の里さんが、中学卒業の文集に寄せた言葉があります。　　『天才は生まれつきです。　　　もうなれません。　　　努力です。　　　努力で天才に勝ちます』　やっとの思いで横綱に昇進しましたが、不運のケガで短い間の横綱に終わって　しまいました。　しかし、彼の努力する姿に心が動かされる人も多く、引退しても人気は衰え　ません。　その理由は、稀勢の里さんが、本気で努力していたからだと私は思います。　本気で稽古をしていたので、弱音を吐くことはありませんでした。　「本気で努力する人は希望を語り、かたちだけで努力する人は不満を語る」　という言葉があります。　本気で努力すれば、輝くしかないのです。　本気で努力する人はまわりから信頼されますが、かたちだけで努力する人は　中途半端な人に見られます。　本気で努力すると楽しくて、疲れない。　疲れても、さわやかな心地よい気持ちになるそうです。　本気で努力する人でありたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月18日

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• 【自分の欠点を認める勇気】

  【自分の欠点を認める勇気】◎～自分の欠点を、直視し認めることです。　　ただし、欠点に振り回されてはいけません。　　忍耐力、優しさ、人を見抜く目を　　欠点から学びましょう。～　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヘレン・ケラー）　他人の欠点には、気づきやすいものです。　それは、どうしても人より自分がどこかで、少しでも優れていたいという　自己優位の気持ちがあるからです。　これは、他人と比較することで、自分の優位性を見つけるための一番簡単な　方法です。　そして、これは小さな子どもの行動にたまに見られるものです。　しかし、それは成長とともに、相手への優しさや思いやりの心を学ぶことで　自然になくなっていきます。　吉田松陰という人は教育家でしたが、このことを理解していたので人間の長所　を徹底的に伸ばすという、逆転の発想で優秀な人材を育てました。　吉田松陰は相手の欠点を指摘しましたが、指摘の仕方に工夫をしています。　たとえば、すぐ感情的になる若者には、　「君は、思いついたらすぐ行動に移すことが早い。できれば、思いついたら　　一度、じっくり考えて行動すると、成果は倍になるぞ」　というような指導をしていました。　つまり、欠点よりもさらに長所に注目し、本人に自覚させていたのです。　ヘレン・ケラーの言う、自分の欠点をいったん、直視させたうえで長所を　伸ばしたのです。　自分の欠点を直視することが、学ぶことになります。　もちろん、自分の欠点を認める時は、つらい気持ちになります。　しかし、そのつらさを経験しないと、学べないこともあります。　よく、歳をとると、自分が間違っていても素直に謝ることができなくなると　言われます。　これは、仮に自分の間違いがわかっていても、認めたくないというプライドが　邪魔をしているのです。　しかし、心に余裕があれば、素直に自分の間違いにも気づき謝れるものです。　心に余裕があるから、ありのままの自分を認めることができます。　人間には、長所と短所が入り混じっています。　これらの長所と短所をうまく使いこなすには、心の余裕が必要です。　余裕が生まれるような生活上の工夫、生き方をしたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月17日

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• 【六然訓（りくぜんくん）に学ぶ】

  【六然訓（りくぜんくん）に学ぶ】◎～自処超然（じしょちょうぜん）〔自分のことだけを考えてはいけない〕　　処人藹然（しょじんあいぜん）〔人に接する時は、優しくしなさい〕　　有事斬然（ゆうじざんぜん）〔問題が起きたら、勇断をもち行動しなさい〕　　無事澄然（ぶじちょうぜん）〔何もない時は、澄みきった心を持ちなさい〕　　得意澹然（とくいたんぜん）〔自慢したい時は、あっさりしておきなさい〕　　失意泰然（しついたいぜん）〔失意の時は、取り乱さず落ち着きなさい〕～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（崔　後渠＜さい　こうきょ＞）　この六然訓は、昔、中国の明の時代に、学者であった崔という人が語った　六つの教えです。　当時、明の政府に権力の思うままに政治を行う人物がいて、国民からも　信頼をなくしていました。　それを見かねて、崔さんはその人物に、正義をもって政治を行うよう諫言する　のですが、それが原因で投獄されました。　その獄中には、崔さんと同じ罪で捕らえられた人もおり、その人たちに語った　六つの教えがこの六然訓です。　勝海舟はこれを座右の銘としていたそうです。　近年は経営者が持つべき心構えとしても、よく知られる言葉です。　企業のリーダーでなくとも、一般人に当てはまる言葉もあります。　六つの内、三つでも自分の生活信条として取り入れてみるだけで、得るものが　ありそうです。　この六然訓を要約してみると、　・日々、何事にも学ぶ気持ちを忘れず、他人を思いやること。　・悩みや問題が起きても、前向きな気持ちで取り組むこと。　・順調な時も、謙虚な気持ち、感謝の気持ちを忘れずに落ち着くこと。　世の中はコロナ禍で落ち着きませんが、冷静な心で笑顔を忘れずに過ごしたい　ものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂｙ　ハートリンクス）

  2020年05月16日

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• 【自分と他人を賢く比較しよう】

  【自分と他人を賢く比較しよう】　◎～物事が思うようにならない時は、　　自分より恵まれない人のことを思えば、　　不平不満は消える。　　やる気がなくなりかけた時は、　　自分より勝る人の事を思えば、　　意欲が出てくる。～　　　　　　　　　　　　　〔菜根譚（さいこんたん）〕　仕事やプライベートなどで、順風満帆な時もあれば、努力しているのに　なぜかうまくいかない時があります。　世の中とは、そうしたもので自分の思いどおりにいかないもの、と思いたく　なります。　しかし、この世の中を生きていくための知恵や考え方は、その人の判断や　とらえ方によって、幸せなものに感じることもできれば、不幸だと思うこと　もできます。　生きる上での賢さとは、自分の個性を生かすことかもしれません。　特に、自分にとって良い個性を生かすには、感情に振り回されないことも　大事なことのようです。　気持ちが落ち込んだら、まず、どれくらい恵まれているか、を数えてみる。　すると、落ち着きを取り戻し、不平不満はなくなり感謝の念が湧く。　やる気がなくなったら、自分に甘えずに頑張っている人のことを考える。　すると、自分もやらなければと新たな意欲も湧いてくる。　菜根譚はこのように教えてくれます。　自分と他人をうまく比較しながら、自分の気持ちを高める方法を身につけて　おくと、自分を整理するのに役立ちます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）

  2020年05月12日

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• 【直接努力と間接努力】

  【直接努力と間接努力】◎～努力には二種類ある。　　一は直接努力で、当面、目前のことに勤め励むこと。　　二は間接努力で、準備の努力、基礎となり源泉となるもの。　　努力が無効に終わるのは、その方向が悪いか、間接努力が足りないからだ。　　方向が悪いとは、無理な願望を立てて頑張ってみてもだめだという　　ことである。　　　　　　　　　　　　　　　　　（幸田露伴　明治・昭和時代の小説家）　足が先天的に遅い人が、短距離の選手になりたいと思って努力したとして　ある程度は速く走れるようにはなるでしょう。　つまり、早く走るためには走る練習をすること。　これが直接努力というものです。　間接努力というのは、一流のランナーになるには、ただ走る練習だけ行うの　ではなく、運動生理学やスポーツ心理学、さらには栄養に関する知識を学ぶ　ことも必要です。　ところが、私たちは、直接努力ということには真剣に取り組みますが、間接　努力というものを、意外と軽く考えているところがあります。　禅の問答に、『牛車の話』というのがあります。　むかし、まだ鉄道や自動車がない時代は、物の運搬には牛に車を引かせて　目的地まで運んでいました。　もし牛車が道で動かなくなったら、荷物が乗っている車を叩くのか、牛を叩く　のかというものです。　答えは、当然、牛を叩くことです。　ただ、禅の世界では、「牛車」を一人の人間として考えています。　『牛』は、私たちの体力・運動能力・表面的な知識・技術を意味します。　『車』は、私たちの考え方・体験したことの意味づけ、さらには人間性を意味　します。　この『牛』と『車』の両方を、これを背負っているのが人です。　つまり、私たちは、「牛」という要素と、「車」という要素の二つをうまく　使い、その特性を発揮させることが大切であるのです。　牛を叩く努力だけではなく、その前にしっかりした丈夫な車を作るための　努力が必要です。　生きていくためには知恵や技術も大切ですが、自分という人間を磨くことが　より重要なことでもあるのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）

  2020年05月11日

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• 【ペストでの休学時に偉大な発見をしたニュートン】

  【ペストでの休学時に偉大な発見をしたニュートン】◎～成功に必要なことを、あえて一つ述べるとすれば、　　それは「つねに願望や目標について考えること」　　に尽きると思います。　　なぜなら、私たちの人生は私たちの「思考」で　　つくられているからです。～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ニュートン）　コロナ禍のために、子どもたちから大学生まで学校に行けない毎日が続いて　います。　特に、受験を控えた人にとって、不安な日々を過ごさなければならないのは　ほんとうに気の毒なことだと思います。　かつて、勉強したくてもできない環境を、有効に使った人がいます。　それは、万有引力の法則を発見した、ニュートンです。　ニュートンがケンブリッジ大学で学んでいた当時、ロンドンではペストが　大流行していました。　ペストはもともと14世紀にも流行し、ヨーロッパの人口の３分の１の人が　亡くなるという伝染病でした。　それが、またイギリスでも流行してしまったのです。　ニュートンは故郷のウールスソープに疎開することになりました。　幸運なことに彼はすでに、奨学生の試験に合格し、奨学金の支給を受ける　ことができたのでした。　また奨学生になるために、ニュートンは恩師のバロー教授のバックアップも　大きかったと言われています。　バロー教授はニュートンの才能を高く評価していました。　ニュートンは生まれる前に、父親が死亡し、母親は再婚し、幼少期は祖母の　手で育てられました。　体も虚弱だったので、友だちからはいじめられることもありました。　そういう境遇にくじけることなく、ケンブリッジ大学で学ぶ青年に成長し、　ペストの流行で疎開しながら、自分のやりたい研究をする中で、万有引力の　の法則を発見したのです。　この時期に、後に「ニュートンの三大業績」と言われる万有引力の法則、　微分積分学、プリズム光学、の発見や証明がなされています。　ニュートンの業績は、ペストの流行の疎開先で、余った時間を有効に使った　ことによって遺されたのです。　また、ニュートンは一般的には、数学者、物理学者と思われていますが、哲学　や神学も学んでいました。　著作も数学関連は260冊ですが、哲学、神学関連のものでも520冊ほど遺し　ています。　キリスト教徒でもあり、人生についても深く考える人でもあったようです。　中年の一時期、うつ状態になり２年ほど引きこもりの生活も経験しますが、　のちに回復し、自然科学の分野で活躍します。　人生とは、その人が何を考えるか、によって大きく変わります　幼少期に過ごした時間も、ペストでの疎開先で余った時間も、ニュートンに　とって、意味ある時間としてとらえていたのでしょう。　今の世界や日本は混乱の時期と言えるかもしれません。　こういう時期だからこそ、自分の目標や夢について考えたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）

  2020年05月10日

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• 【上杉鷹山が行った意識改革とは】

  【上杉鷹山が行った意識改革とは】◎アメリカの元大統領、ケネディが日本人で一番尊敬する人物として挙げたのが　上杉鷹山（ようざん）といわれています。　歴史的には、日本人にとって上杉謙信のほうが有名ですが、ケネディ大統領は　評価の基準が違っていました。　なぜケネディは上杉鷹山を尊敬したのか。　それは、鷹山の人の使い方が優れていたということです。　上杉謙信が亡くなり、豊臣秀吉は上杉家を東北に移しました。　180年ほど経った江戸時代の中頃、鷹山は米沢藩の藩主になります。　鷹山がはじめて米沢に来る道中、領民の表情が暗いことに驚きました。　その当時、財政は苦しく借金によって藩はどうにか保たれていたのです。　鷹山は、まず初めに人々の心を元気にすることに着手します。　藩士を集めて四つの方針を告げました。　１、あなた達は、どんなことがしたいのか。　（目標を決めさせた）　２、やるとすれば、どこまで頑張れるか。　（自分の限界はどれくらいか）　３、もしできないとすれば理由は何か。　（障害や問題は何か）　４、どんな方法ならできるか。　（障害や問題を克服する方法があるか）　これら四つのことを徹底して、考えさせ行動させました。　鷹山自身も、藩主としての生活を切り詰め、食事は一汁一菜、身に着ける衣服　は木綿にするなど、それまでの経費の七分の一にまで倹約したといいます。　藩の中には、鷹山のやり方に反対する重役もたくさんいましたが、改革への　意志は変えませんでした。　鷹山は72歳で亡くなりますが、次の年には藩の負債はなくなり、その後は　黒字の財政となりました。　ケネディは鷹山の施策に、政治家としての発想と、経済施策を行った実行力を　参考にしたわけです。　鷹山の格言で有名なのが、　『なせば成る　なさねば成らぬ何事も　なさぬは人の成さぬなりけり』　ということわざです。　これは、無理をしろ無茶をしろ、というようなことではなく、目的を立て、　自分の力を出し切り、問題があれば、工夫して乗り越える、という理にかなう　考えに基づいたものです。　組織運営も企業の経営も、人をいかにその気にさせ、行動させるか。　そのために、トップはどういう考えで事に臨むかが大事です。　鷹山の人間性が優れていたことは事実ですが、現代においても学ぶところは　あるのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）

  2020年04月11日

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• 【回り道だから得るものがある】

  【回り道だから得るものがある】◎～近道したら、近道に潰される。～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（矢沢永吉）　ロック歌手で有名な、矢沢永吉さんが自宅にいたある日のこと。　娘さんが、家のエアコンをつけっ放しにしていたそうです。　気づいた矢沢さんは、娘さんに次のように言いました。　「誰かが、お金を払っていることを忘れるな。　　お前には、“苦労知らず”という敵がいる。　　油断していると、その“苦労知らず”が牙をむいて襲ってくるんだ」　こう言って説教したといいます。　矢沢さんは、3歳のとき母親と生き別れになり、8歳のときに父親と死別　しました。　親戚の家を転々としたあと、父方の祖母の家で育てられました。　貧しかったので、近所の子どもたちからいじめられたそうです。　「お前の家は貧乏だから、ケーキなんか買えないだろう」言われ、ケーキを　顔に投げつけられたこともありました。　大人になり、ロック歌手として活躍するまでになりました。　しかし、金銭問題が起きて34億円の借金をかかえてしまいました。　そのとてつもない、34億円はステージ活動で返済を終えます。　このような苦労に負けない姿勢が、矢沢さんの人気の理由なのでしょう。　人気が続く人の魅力は、このような回り道でさえも逃げずに生きる姿勢です。　人によって、回り道の長い、短い、あるいは上り坂の状態は違うかもしれま　せん。　どんな問題でも、無駄なものはないと思えば、乗り越える力も生まれてくる　のだと思います。　近道というより、回り道だったが、良い人生だったな、と思える一生を送り　たいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）

  2020年04月09日

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• 【精神力の強さとは】

  【精神力の強さとは】◎～精神力の強さとは、　　逆境に対し「なにくそ」と向かっていく姿勢ではありません。　　逆境に置かれたこと自体を、むしろ幸せだと前向きにとらえる　　感情の持ち方も、強い精神力をつくりだします。～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（EQ理論提唱者　高山　直）　元大リーガーのイチローさんが、現役時代にこう言ったそうです。　「結果が出ないときに、どんな自分でいられるかが一番大事だ。　　たとえば、１打席目でヒットが打てないと、今日はダメかという心境に　　なりやすい。　　でも、そんな苦しさの中であきらめない姿勢が、　　何かを生み出すきっかけになる」。　これは、苦しくてもこの難局を打開しようとする自分を確認することで、　安心できる、ということです。　困難なことが目の前にあるとき、ナニクソ！　という思いが湧いてくるとき　があります。　一時的に、自分を励ますことも必要ですが、この気持ちを維持していくのは、　かなりのパワーがないとできません。　そういう人がいることも確かですが、イチローさんが行うような、打開しよう　とする自分を再認識することのほうが、より大切です。　つまり、感情的に何とかしようではなく、結果が出せないことを認めたうえで　どうすれば打開できるのかを考えるのです。　だから、前を向けるのです。　私たちは、感情を体の一部として認識しています。　しかし、これは海の魚が海の中を泳ぐことを疑問に思わないことと同じです。　ところが、いったん魚が海から釣り上げられたとき、はじめて魚は海で生きて　ことに気づきます。　私たちが、海の魚にならないためには、感情に流される自分と、流されない　自分とのバランスをいかにうまくとるかなのです。　感情に流されなけれならないときは、流されればよいでしょう。　しかし、流されるばかりでは感情の奴隷になってしまいます。　感情の主人公としてふさわしい生き方をしたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）

  2020年04月07日

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• 【あきらめない力】

  【あきらめない力】◎～あきらめない人は可能性の視点で考え、　　あきらめる人は困難の視点で考えるものです。～　ハリーポッターの作者、J・K・ローリングは文章を書くのが好きで、いつか　小説家になろうという夢がありました。　２７歳当時、ポルトガルで英語の教師をしていたとき知り合った男性と結婚。　２年後、女の子を授かりますが、夫との関係がうまくいかずに離婚しました。　母子家庭となりますが、収入も少ないため生活保護を受けるほど、苦しい生活　でした。　生活苦と心労で、うつ状態になりました。　しかし、その病も克服し、娘が眠っている時間も原稿を書き続けました。　出来上がった作品が『ハリーポッターと賢者の石』です。　その作品を出版社に売り込みますが、受けつけてもらえません。　１２の出版社に足を運びますがそれでもダメでした。　すると、ある出版社の編集担当者が興味を抱き、原稿に目を通してもらうこと　になりました。　その担当者は、自分で読むよりも子どもに読ませようと考え、自分の８歳の子　に「読んでごらん。読み終わったらパパに感想を聞かせて」と言いました。　読み終えた子どもが言いました。　「この物語はとても面白いよ！」　それからJ・K・ローリングの作品が世界中に広がることになったのです。　４億５千万部、売れたそうです。　自分の夢をあきらめない人は、「どうすれば夢を実現できるか」という視点で　考えて、行動します。　　その途中には、いくつかの障害や問題があっても、乗り超えていけます。　可能性の世界から物事を見つめる人には、途中の諸問題は通過点にしか見えな　いのです。　物事に取り組むとき、どんな視点で考えるかによって、結果は変わり手にする　ものも大きく違います。　あきらめない力を身につけたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）

  2020年04月02日

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• 【周囲から好かれるのはどんな人？】

  【周囲から好かれるのはどんな人？】◎～当たり前のことができない人は、周りの人から嫌われます。～　阿川佐和子さんと笑福亭鶴瓶さんが対談したとき、次のやりとりがあったそう　です。　阿川さんが鶴瓶さんに、　「芸能界で長い間、第一線で活躍されている秘訣は何でしょう？」　と問いかけました。　鶴瓶さんの答えです。　「かわいがられて、愛されないと次はあらへんがな」　というものでした。　これは、芸能界という特殊な世界だけに言えることでしょうか。　たぶん、一般の社会にも通用する金言でもあると思います。　EQ理論の専門家、高山　直さんは生きていくための基本をしっかりと身につ　ければ、みんなから好かれるはず、と言います。　例えば、職場内での行動について言えば、　・開けたら閉める　・点けたら消す　・落ちたら拾う　・汚れたら拭く　・なくなったら補充する　・借りたら返す　これが、職場で生きていくための基本。　同時にこれは、家庭でも同じようなことが言えます。　この六つの基本の根底にあるのは、相手への思いやり、あるいは周囲の人への　心づかいです。　落ちているゴミがあれば拾う、これはごく当たり前のことですが、ポイ捨ては　どこにでも見かける風景です。　ゴミを拾う人は、ゴミを捨てないといわれますが、ホントにそうです。　ある国では、街を歩きながらでも平気でポイ捨てをするそうです。　なぜ捨てるのか、と聞くと、　「ゴミを拾う人の仕事がなくなるからだ」という答えが返ってきます。　その国の将来はどうなるのでしょう。ゴミを拾う仕事より、花を植えたりする　仕事をした方が人々の心も豊かになるのに、と考えさせられます。　当たり前のことをきちんとやっていれば、自然に周囲の人から好かれるように　になるはずです。　当たり前のことだからこそ、しっかりできる人になりたいものです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（by　ハートリンクス）

  2020年03月30日

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• 【人は「扱う」ものではない】

  【人は「扱う」ものではない】　★山崎武也氏の言葉から―　◎人の扱い方が上手だといわれる人がいる。　　人の気をそらすことなく、礼儀も正しく、人が喜ぶようなことをいうので、　　応対される側としては気分も悪くない。　　当然のことながら、皆の「うけ」も悪くない。　　しかし、そういう人とのつきあいには、意外な発見や感動を受けるような　　心のふれあいを感じることがないものだ。　　つきあっていて気分はよいのだが、表面だけのつきあいで終わってしまう。　　これはなぜかというと、人を「もの」とおなじように扱っているニュアンス　　を感じさせるからである。扱うというのは、自分の思いどおりに動かすとい　　う意味である。　　そこには、自己中心的なにおいがつきまとう。　　人に対するときは、たとえ部下や目下の人であっても、「扱う」という言葉　　や考え方をやめ、人はものではないという認識をする必要がある。　　そのうえで、一人ひとりの人間に対して、対等の立場に立って接していくの　　である。　　自分が対する人は、自分にとって非常に大切な人であると思って、心でぶつ　　かっていけば、相手もきっと信頼してくれるはずだ。　　（参考文献：山崎武也著　「さりげなく『感じのいい』人」　三笠書房）________________________________________　＊人の扱い方は、人との接し方と言葉使いによく表れます。　　今の時代は、ひと昔前にくらべると人と人が“情”の部分でつきあうという　　ことが希薄になっていると思います。　　そのため、職場内でのコミュニケーションもとりにくくなっています。　　このような環境で仕事をしているためか、自分では気づかないうちに人を　　「もの」という見方をしている可能性があるかもしれません。　　職場内での書類ひとつにしても、目の前のパソコンやメールやり取りだけで　　処理ができ、相手と言葉をかわす必要がなくなったのも大きな原因です。　　その時間が省略されたことで、仕事の効率ははるかに上がりました。　　人間社会でもっとも大事なことは、人と人との関係性に適度な潤いが維持　　されることです。　　もっと、心と心をぶつけ合うべき人に、それに応じた接しかたをしていたか　　どうか、ふり返ってみることがあってもいいのではないかと思います。

  2019年09月09日

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• 【記憶は都合よく機能する】

  【記憶は都合よく機能する】　★心理学者・内藤誼人（よしひと）氏の言葉から―　◎人間は、つらい記憶を頭の中にしまっておくのが苦痛である。　　そのため、どれほどつらい経験をしても、しばらくするときれいに忘れてし　　まうようにできている。　　これを「記憶の楽観作用」と呼ぶ。　　記憶というのは、まことに都合よくできていて、つらい経験はさっさと忘却　　するようになっているのだ。　　楽しいことだけ、記憶にとどめておくようになっているのである。　　つらい経験はさっさと忘れてしまうにかぎるのだが、そうなると、せっかく　　の経験から、学びとれないという困ったことも起きる。　　「お前は、何度同じことを言わせるんだ！」　　「お前は、この前も同じ失敗をしたぞ！」と上司に怒鳴られてしまうのは、　　記憶の楽観作用が悪い方向に機能してしまったためである。　　つらい経験をしたら、本来は、何かを学ばなければならないのに、きれいに　　忘れてしまうのであろう。　　その点、不安な人は、一度でも懲りたら、それを忘れない。　　つらいことを何度も反すうして考えるので、記憶にしっかりと定着し、忘却　　させないようになるのである。　　しかも、不安な人は、メモや日記をつける習慣があり、なおさら忘れにくい　　という特徴もある。　　スコットランドにあるグラスゴー・カレドニアン大学のエレイン・ダンカン　　は不安な人ほど日記をつける習慣があることを突き止めた。　　しかも、日記をつけている人の６６％は古い日記を捨てずにとっており、　　そのうちの８８・７％は時おり読みかえしたりもしているという。　　不安な人が、つらい経験も忘れないのは、記録をとって、しかもその記録を　　何度も読みかえすことで、苦い記憶、つらい記憶も思い出すからである。　　彼らはつらい経験を思い出すから、そこからいろいろなものを学びとれるの　　だと言えなくもない。　　普通、つらい経験をした人は、「酒でも飲んで、きれいに忘れちゃおう」と　　思うものである。精神的には、そちらのほうがずっとラクである。　　しかし、不安な人は、つらい経験をしたことをきちんと日記に書き留めて　　おく。　　書き留めることで、自分なりに反省し、将来的に二度と同じ過ちをくり返さ　　ないようにするのである。　　何度、叱られてもケロッとしている人は楽観的人に多い。　　彼らは、たしかに気楽なのかもしれないが、忘れっぽくて経験から何も学び　　とれないというデメリットがあることを考えると、楽観性が絶対によいとは　　言い切れないのではないだろうか。　　（参考文献：内藤誼人著　「『不安』があなたを強くする」　廣済堂出版）________________________________________　＊不安があるから、人は学び強くなる。　　心理学者でもある著者は、そう指摘します。　　不安な気持ちが起きることは、むしろ健全であるという証明とも言えます。　　ただ、不安になり過ぎると、不安から学ぶということができなくなります。　　不安という感情を、もっていないと落ち着かないというケースもあります。　　この状態が、日常化すると、強迫観念も増していきます。　　結局、生きていることそのものがつらくなるという状態です。　　そうならないためにも、不安であること、不安になることを恐れないで、　　不安な中にも、自分が強くなれるきっかけを見つけることです。　　日記の活用は効果があると言われています。　　「いいこと日記」を書く人もいます。　　要は、日記は改善のためのツールであり、自己肯定のツールとも言えます。　　自分に合った、不安への対処法を持っておきたいものです。

  2019年08月28日

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• 【人と比べるのは向上心の表れ】

  【人と比べるのは向上心の表れ】　★精神科医・西多昌規氏の言葉から―　◎原因はともあれ仕事がうまくいかないと、自己嫌悪におちいることが多いで　　しょう。　　「あの人の教え方が悪い」「上司が悪い」などと文句を言って気が晴れるなら　　ば、まだマシです。　　もっとつらいのは、ふがいなさのあまり自分に怒りの矛先が向くときです。　　しかし、これは悪いことではありません。自己嫌悪を感じるということは、　　強い向上心をもっていると解釈できます。　　向上心と「社会比較」とは、無関係ではないのです。　　社会比較について、もう少しだけ詳しく説明しましょう。　　たとえば奥さんとケンカして落ち込んだとき、「離婚寸前のあいつの家より　　は、うちはまだマシなのかな」、と自分より悪い環境の人と比較して、自分　　のこころのバランスを取ることがあります。　　こういう心理は、状況が自分より下の相手との「下方比較」です。　　下方比較ばかりしている人は、自分をいつも上に置いていたい、自尊心が　　強い人の可能性があります。　　向上心の強い人は、自分より能力の高い人に対して社会比較、「上方比較」　　をおこないます。　　自分を、先輩や上司と比較するのは、上昇志向の強い人に見られる傾向です。　　結果が出ないと自己嫌悪を感じている人は、だれと比較しているかを考えて　　みましょう。　　比較する相手が、自分と同じレベルあるいはそれ以上ならば、心配はいりま　　せん。　　「今日は自分がイヤになったけど、それくらいエネルギーがあるんだ」と考　　えて、気持をリセットしましょう。　　（参考文献：西多昌規著　「気持ちをリセットする技術」　だいわ文庫）________________________________________　＊自分のまわりを見渡してみたとき、「下方比較」をする人と「上方比較」を　　する人、どちらが多いでしょうか。　　よく考えてみると、「下方比較」の人が多いように感じます。　　つまり、著者の指摘に当てはめれば、自尊心の強い人が多いということに　　なるでしょうか。　　もちろん、「上方比較」の人もいますが、こういう方々の特徴は謙虚さがあり　　性格も明るいタイプです。　　どちらのタイプがよいか、悪いかということは別にして、自分自身はどうな　　のかという意識は忘れないでいたいものです。　　たしかに、心の状態は常に変化するもの。　　時と場合によっては、両方の比較をすることがあるかもしれません。　　それを前提として、自分の傾向を分析することで、自分を客観的に見ること　　にもつながり、よい刺激になると思います。

  2019年08月23日

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• 【道徳心と自尊心】

  【道徳心と自尊心】　★心理カウンセラー・金藤滉一（きんとうこういち）氏の言葉から―　◎最近よく“モラルの低下”という言葉をよく耳にします。実際、学校現場　　でも、偉人の逸話を集めて、道徳の授業をしているようです。　　それには反論があって、人間はいつの時代もそう変わらなく、戦前であって　　も不道徳者はいっぱいいたという人もいます。　　私は年に数回ですが、興味ある講演会などに出かけて、話を聞くようにして　　います。　　少し前に出かけたのが、援助交際の問題にたずさわっている専門家の講演会　　でした。　　その方いわく、　　「彼女たちに決定的に不足しているもの、それは『あるがままの自分が好　　　き』という根本的な自尊感情（自尊心のことですね）です。　　　自尊感情がないので、結果的に自分を安売りするような行動に走ってし　　　まうのです。だから、私がこころしていることは、『この自分が好き』と　　　いう感情を彼女たちに取り戻させることです。　　　健全な自尊感情を持った女の子は、援助交際に走ったりしません」　　インパクトのある言葉がずんずん胸に刺さる感じでした。　　そのとき、ふとユング心理学者の河合隼雄（かわいはやお）氏の言葉が私の　　脳裏をよぎりました。　　「援助交際は、“魂”に悪いからやめなさい」　　これも含蓄のある言葉です。河合先生は「援助交際は身体に悪いからやめ　　なさい」とはいいませんでした。　　若い人が自分の身体を商品化することは、魂を汚すことだ、とおっしゃって　　いるのです。先の自尊感情と相通じるいいかたです。　　万引き被害に頭を悩ませていた、某大型ホームセンターがある対策を講じた　　ところ、被害が３０％少なくなったといいます。　　その対策とは、お客に心を込めて「あいさつ」をすることだったそうです。　　もちろん、店側が目配りを怠っていないというサインにもなるでしょうが、　　それよりも、専門家は「お客に自分が大事にされているという感情を起こさ　　せる」といいます。　　私たちこころの世界にたずさわる者にとって、むかしから常識になっている　　のは万引きは「寂しさ」が引き起こすというものです。　　店員のあいさつは、その淋しさを少しは緩和する役目があったということ　　です。　　自尊感情の有無がどれだけの働きをするか、これで分かります。　　自分にそれが十分に備わっているか……と問うことは、決して無意味では　　ないと思います。　　（参考文献：金藤晃一著　　　　　　　　「つまずいたらいつもの逆をやってみよう」大和出版）________________________________________　＊だいぶ以前のことですが、親しくさせて頂いていた方が、とある少年院で　　講話をされたことがありました。　　更生保護委員会というところから依頼があり、若者の将来のために話を　　してもらいたいということだったそうです。　　講話が済んだ後、みんなに話を聞いてどうだったか、感想文を書いてもら　　いました。　　後日、その感想文を、私も読ませてもらう機会を得ることができました。　　当時の少年院で生活を送る人の多くは、窃盗罪でした。　　その中でも特に目立ったのは、親に対する感情のいら立ちが印象に残って　　います。　　つまり、親から十分な愛情を注いでもらえなかった、ということです。　　子どもにとって、自分の寂しさを自分の力で解消することはできません。　　寂しいから、モノを盗んだりするのでしょう。　　子どもに限らず、大人でも寂しさをまぎらわす方法がわからずに悩む人も　　多くいます。　　自分の自尊感情について考えることは大切なことであると同時に、職場内　　の人たち、家族への愛情表現に心を込めていたかどうかを知るきっかけに　　なるかもしれません。

  2019年08月21日

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• 【欠点を克服するごとに、個性も失われていく】

  【欠点を克服するごとに、個性も失われていく】　★精神科医・和田秀樹氏の言葉から―　◎完全でありたいと願う真面目な人は、自分に欠点があることが許せない。　　だから、欠点を克服しようと必死になる。　　しかし、欠点をつぶしていくという生き方は、意外と人間をつまらなくする。　　欠点が一つなくなっていくたびに、個性も失ってしまうケースが多い。　　欠点はないけれど、面白味もないつまらない人間になってしまうかもしれな　　いのだ。　　あるスポーツ選手から聞いた話で、なるほどな、と思ったものがある。　　プロとアマチュアの違いについて語っていたのだが、ベストアマになる選手　　というのは、欠点を克服しようとするタイプに多く、実際、さまざまなスポ　　ーツの歴代のベストアマは欠点が少なく、なかにはほとんど欠点や苦手なも　　のがないというタイプが多い。　　特に、ゴルフでは、たいていがこのタイプなのだそうだ。　　たとえば野球なら、エラーもないし、それなりの打率も稼げる。　　投げても守っても、そこそこの力を発揮するタイプ。こういうタイプの選手　　は、高校野球などアマチュア時代は活躍する。　　ところが、プロになても意外と伸びずに終わってしまう。あるいは、プロに　　ならずにアマチュアのまま続けるケースが多いという。　　プロの野球選手で成功するタイプは、エラーを多発しても足も速くないが、　　打のほうではホームランを量産するとか、コントロールは不安定だが球速は　　驚くほど速いピッチャー、など。　　こういう選手のほうが、プロとしては目立つし、活躍の場も多いのだそうだ。　　確かに、言われてみればそのとおりかもしれない。　　普通の人間だって、自分の欠点を克服しよう、欠点のない人間になろうとい　　う優等生タイプは、欠点が減る分、当たり前の人間になっていく。　　それよりも個性や長所をどんどん伸ばしていったほうが、他人から関心を抱　　かれるのである。　　（参考文献：和田秀樹著「『悩みグセ』をやめる９つの習慣」だいわ文庫）________________________________________　＊すぐに、誰かと比べてしまう“比較社会”の中で育ってきた私たちは、つい、　　欠点だ、長所だという見方をしてしまいます。　　しかし、欠点は個性だという価値観をもつと、その欠点は長所に生まれ変　　わることができます。　　欠点は悪いモノ、よくないモノという考えをなくすことはとても大事なこと　　なのです。　　まず、なにかと比較したがるクセ、人の欠点を見つけたがるクセを少しでも　　なくしていくこと。　　そうすることで、人を見る目が変わり、自分自身の心も広くなっていくと思　　います。　　そういう人に一歩でも近づきたいものです。

  2019年08月18日

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• 【言葉とミラー細胞】

  【言葉とミラー細胞】　★浜松医科大学名誉教授・高田明和氏の言葉から―　◎「言葉には私たちの心を変える作用がある」。　　これは現在の脳科学の常識です。　　ある種の言葉には「脳が変わり意識が変わる」要素があることが、実験に　　より、証明されています。　　たとえば聖書や経典に記される宗教家などの言葉などは、時代を超えて私　　たちの心に訴える力をもっています。　　言葉はなぜ、脳に作用するほどの大きな力をもっているのでしょうか。　　最近の科学では、この鍵を握るのは最近発見された「ミラー細胞（鏡細胞）」　　と呼ばれる脳内の細胞であることがわかっています。　　ミラー細胞とはどのような細胞なのでしょうか。　　たとえば、サルの前でヒトが何かつかんだとします。　　そのとき、サルはつかむ動作はしていないのですが、脳の中では、サルの　　手の運動を命令する場所、運動前野の細胞が活動しています。　　これがまるで鏡のようにまねをさせる細胞なので、ミラー細胞と名づけられ　　ました。　　では、言葉はどうでしょうか。　　言語中枢は、多くの場合、左脳の前頭葉の後下部にあります。私たちが話す　　とき、読んで字を書くときにはここが反応しています。この部位の周りに　　言語のミラー細胞があります。　　ここは他人の話を聞いているときに、自分も同じように話すつもりになると　　ころです。　　このミラー細胞は、言葉を覚えるのに非常に大事だとされます。　　私たちは、他人の話を聞いて話し方を覚えるのです。　　では聞く方はどうかというと、耳から入った音、言葉は、まず聴覚野に入り　　その後、言葉が音以外の意味をもっていることを理解します。　　この情報はすぐ上にある角回（かくかい）という部位に送られ、この周囲に　　は言葉を聞いていなくても、思っただけで反応する場所があります。　　言葉を聞いて感動すると、その言葉を思い出すことでこの部位が反応し、　　さらにこの言葉のもつ意味を他の部位に伝えるのです。　　つまり、言語の理解にもミラー細胞がかかわっているということです。　　問題は、言葉がミラー細胞に記録されるかどうかです。　　これは運動のミラー細胞と同じです。その言葉が強い感動を生んだときに　　ミラー細胞が活動し、その後この言葉を思い出すと、言葉の意図するよう　　な感情、意欲、希望が生まれます。　　そうなると私たちは元気になり、自信ももてるようになります。　　つまり、脳が変わり意識が変わってゆくのです。　　反対に、嫌な人の言葉や態度がミラー細胞に入ると、私たちの感情を苦し　　めたり、心を圧迫したりします。　　（参考文献：高田明和著「脳と心に効く言葉」二見レインボー文庫）________________________________________　＊著者によれば、よい言葉を聞くこと、その言葉をくりかえすことでミラー　　細胞を刺激するといいます。　　これは、悪い言葉もくり返すと、ミラー細胞は刺激され感情も暗くなると　　ということと同じです。　　私たちが、元気になる、気分がよくなるためには、よい言葉をより多くくり　　返すことがいかに大事であるかが理解できます。　　心の持ち方が、脳の細胞に大きく作用するといことです。　　言葉のもつ力を活用できる人になりたいものです。

  2019年08月13日

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• 【話を聴くとは相手を受け入れること】

  【話を聴くとは相手を受け入れること】　★弁護士・西中　務氏の言葉から―　◎私は「いのちの電話」の相談員を１０年ほど務めていたのですが、おかげで、　　コミュニケーションのコツをいくつか学ばせてもらいました。　　自殺寸前にまで追い詰められた人が、藁（わら）にもすがるような気持ちで　　相談の電話をかけてくるのが「いのちの電話」ですから、いい加減な気持ち　　では相談員はできません。　　けれど、あまり熱心に相談しすぎるのも逆効果になるので、あまり肩に力を　　いれないで、上手に相談にのるにはコツがいります。　　そのコツの一つが、「なるべく黙って、相手の話を聴く」ことです。　　私が、良い相談役を務めるコツをつかんだのは、とても意外なきっかけでし　　た。　　実は、昼間の仕事でくたくたに疲労していたことで、かえって良い結果に　　なったことがあったのです。　　その夜、私の担当時間に電話をかけてきた人たちは、どなたも「ありがとう　　ございました。ほんとうによくわかりました」と満足げに電話を終えていま　　した。　　正直に白状すると、その日、私は電話で、ほとんど何も言っていなかったの　　です。　　体も頭も疲れ切っていたので、つい、「ああ、そうですか」とか「そうなの」　　とか、ただあいづちを打っていただけでした。　　ところが、これが良かったようなのです。最初、私には不思議でしようがあ　　りませんでしたが、何日か考えているうちに悟りました。　　「そうか、ただ話を聴いてあげることが大事だったんだ」　　深刻な身の上相談を持ちかけられると、つい、一生懸命に考えてしまいます。　　それで、少しでも役に立つ解決法やアドバイスをしたいと思ってしまうので　　す。　　でも、相談者が求めているのはそれではなかったのです。　　話を聴いてほしい。　　これが、悩んでいる人にとって最も切実なことなのでした。　　私は疲労でろくなことが言えない状態だったため、かえって、相談者の話を　　十分に聴いてあげる結果になっていたわけです。　　相手の話を聴いてあげるということは、「丸ごと相手を受け入れる」という　　ことを意味しています。　　ただ話を聴く。　　これが、人間関係を良くする、何よりのコツなのだと、「いのちの電話」では　　教えてもらいました。　　（参考文献：西中　務著　「運の良くなる生き方」　東洋経済）________________________________________　＊コミュニケーションしだいで、人との関係はどうにでもなります。　　ただ、コミュニケーションは簡単にとれるものではない、という一面も　　ありますね。　　最初から、話を聴く・相談するという立場の違いが決まっている場合は　　そうでもないでしょう。　　しかし、社会には、職場、家庭、学校、サークルなどたくさんの異なる環境　　がありますから、その場に応じたコミュニケーションをとるのも結構大変な　　作業なのです。　　ただ、基本として、相手の話を聴く、という姿勢があれば相手との距離は　　近まってくることだけは間違いないようです。　　ところで、話を聴いていると、つい、相手の話の途中で自分の意見を言いた　　くなります。　　ここをこらえて聴くのもコツの一つです。　　相手の話をじっと聴くことで、自分の判断や考えがまとまってくることも　　あると思います。　　人の話を聴く力、養いたいものです。

  2019年08月12日

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• 【自分の体は何からできている？】

  【自分の体は何からできている？】　★大栗道榮（おおぐりどうえい）師の言葉から―　◎「人間の体はなにからできていますか？」と尋ねますと、その答えには、　　炭素・窒素・カルシウムなどという化学的用語が返ってきます。　　仏教のほうでは、地水火風（ちすいかふう）という四大（しだい）から成り　　立っていると考えます。　　もうちょっと詳しくいうと、地というのは、大地の塵（ちり）のことです。　　この塵のなかには炭素もカルシウムも入っています。　　水は、水分ですし、火の根元は、日光です。　　風は、酸素や窒素を含んでいる空気を動かして、呼吸をすることです。　　ここで、もう一つ「空」（くう）というのを加えます。　　この空は、地水火風を入れる風袋（ふうたい）、つまり容器です。　　それで地水火風空という五大（ごだい）になります。　　この風袋は、心を入れる容器でもあります。　　その心のことを「識」（しき）といって、ついでにそれも風袋に入れて、　　地水火風空識の六大（ろくだい）というのです。　　識という心はなにをするのか、といいますと、四大からできている、目で見　　たり、耳で聞いたり、鼻で嗅いだり、舌で味わったり、指先で触ったりした　　ことを、「空」が感じます。　　空は、どう感ずるかというと、目が見たことを“美しい”と感じたり、耳が　　聞いたことを“やかましい”と感じたり、鼻が嗅いだことを“臭い”と感じ　　たり、舌が味わったことを“まずい”と感じたり、指先で触ったことを“痛　　い“と感じたりします。　　そして空は、感じたことを「識」に伝えて、判断を仰ぐのです。　　識はそれを裁判官のごとく判断して、「それは道理にかなっている」とか、　　　「そいつは無理だ」とか、分別するのです。　　そのことを「識別する」というのです。　　こうして考えてみると、四大や五大や六大といっても、みんな宇宙の塵が寄り　　集まってできあがったものが、自分の体なんですね。　　（参考文献：大栗道榮著「人生の悩みが消える空海の教え」知的生き方文庫）________________________________________　＊ここでいう塵（ちり）というのは、ゴミのようなものではなく、一つの　　大切な要素と考えたほうがよいと思います。　　この話の元になっているのは、空海（弘法大師）の言葉にある、　　―地水火風空識がゆきわたっているところが、己の体である―という教え　　からきています。　　化学的にいえば人間は、炭素などの物質からできているという側面もありま　　すが、ここでは、肉体の五感、六感の側面から、人間の体という存在を見て　　いるのです。　　人間には知恵があり、物事を見て考えるということができます。　　ゴミと思えるようなものでも、それは大切な命の一つであると認識できる　　なら、ゴミは単なるゴミではなくなり、尊く大切なものになるのです。　　化学の研究が進歩し、それによって今度は、科学の技術もどんどん向上して　　きています。　　そのおかげで、人間の生活は快適なものに変わってきました。　　ところが、科学技術も戦争の武器に開発されるという現実があります。　　この流れについて、「科学は人間を謙虚にするものでなくてはならない」と　　いう人もいます。　　科学技術が人間を幸せにするように、宇宙という自然に対しても謙虚さを深　　める私たちでありたいと思います。

  2019年08月11日

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• 【人の雅性】

  【人の雅性】　★渡辺和子さんの言葉から―　◎雅性（ゆとりを持つ）、ということばは日本語にはないかもしれない。　　優雅の雅であり、粗野、下品、とは全く無縁のものであるが、同時に、それ　　はお上品ぶることでもなく、心のゆとりがかもし出す美しさ、心の気高さで　　ある。　　とある小学校の同窓会の出来事であった。　　卒業して五十年近くも経つと、かつては同じクラスで机を並べてともに学び、　　ともに騒ぎ合っていた者たちも、それぞれに相当異なった道を歩いたことに　　なる。　　中には大使夫人になった人もいれば、卒業後田舎に引きこもって、農業一筋　　に生きていた人もいた。　　やがて洋食のしかもフルコースが運ばれてきて話は弾む。　　　　フルーツが出る頃、指先を洗うためのフィンガーボウルが置かれた。見るか　　らに、清冷な水が磨き上げられた銀器に入って出された時、片田舎に住みつ　　いて五十年の人は、やおらボウルを手にとってそれを飲み干したのである。　　皆がハッと息を呑んだ時、近くに坐っていた大使夫人も、つと手を伸ばして、　　自分もまたボウルの水を飲んだのだった。　　その時の婦人の美しさこそは雅性そのものだった。それはたしかにエチケッ　　トに反することであったが、まさに“礼”にかなったこと、他人に恥をかか　　せまいとするとっさの思いやり、優しさの表れであった。　　今の若い人たちの一つの大きな特徴は、「目立ちたがり屋」ということだろう。　　目立つためには奇抜な服装、アクセサリーの必要はない。　　現在、もっとも人目を引き、しかも好ましい印象を与えるのは、日本女性の　　特性でありながら失われつつある優雅さである。　　男女同権もいい。男女雇用機会均等法も結構なことである。　　しかし、女性を美しく、好ましくするものは、昔も今も変わることなく、温　　かいほほえみ、美しいことば、さりげない心くばり、礼儀正しさ、そして恥　　じらいを知る慎みと覚えておきたいものである。　　（参考文献：渡辺和子著「愛をこめて生きる」PHP文庫）________________________________________　＊女性らしさというのは、片方では男性は男性らしくあることが求められる　　のだと思います。　　つまり、人間らしくということになるのですが、女性らしさ、男性らしさも、　　基本に人間らしさがあってのことです。　　若い人たちが、目立ちたがるということも、見方を変えれば自己表現する　　方法を、社会や大人たちがきちんと教えてこなかったからでもあるのです。　　渡辺さんは、肉体の露出過剰も人の目を引かなくなってしまった現代だから　　こそ精神面の優雅さを身につける必要があると指摘しています。　　子どもの教育は、大人次第です。　　心にゆとりを持って子どもたちに接していく大人でありたいものです。

  2019年08月10日

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• 【ひらめきと努力】

  【ひらめきと努力】　★ひすいこたろう氏の言葉から―　◎～天才とは１％のインスピレーションと９９％の努力である～　　トーマス・エジソンが言ったとされる、この有名な言葉。　　一般的には、「ひらめきは１％でいい。９９％の努力が大切だ」　　と解釈されていますが、実はエジソン自身はこう語っています。　　「私は１％のインスピレーションがなければ、９９％の努力は無駄になると　　言ったのに、世間は私の言葉を勝手に都合のよい美談に仕立て上げ、私の努　　力の重要性だけを成功の秘訣と勘違いさせている」　　では、９９％の努力を支えた、１％のインスピレーションとは何なのでしょ　　うか？　　ある先輩が、そのことについて、こう教えてくれました（しかも大阪弁で）。　　「エジソンは、電球が“絶対できる”って信じていたと思うねん。　　この“絶対できる”ちゅう確信が、１％のインスピレーションなんとちゃう　　かな」　　「絶対できる」と思えるからこそ、完成したときの喜びをイメージできた。　　だからこそ努力を続けることができた。　　１％のインスピレーションって、「絶対に自分はできる！」　　その確信なんだと思います。　　ちなみに、画家のジミー大西さんは、こんなことを言っています。　　「エジソンの言葉で、『９９％の努力で１％のひらめきや』って、残した言葉　　があるんですけど、あれは誰かが和訳を間違えてるんとちゃいますか？　　僕は『９９％の遊び心で１％のひらめき』やと思うんですよ。誰が９９％も　　努力します？　しませんよ。僕は、エジソンは楽しんでいたと思いますよ。　　失敗して失敗して、失敗することを楽しんでいたと思いますよ」　　（参考文献：ひすいこたろう著　　　　　　　　「心にズドン！と響く『運命』の言葉」王様文庫）________________________________________　＊「努力」はとても尊く、大事なことです。　　しかし、やみくもに努力をすればいいというものではない。　　このことを考えてみる必要はありそうです。　　努力はなぜするのか、何のためにやるのかという目的意識と計画がないと、　　せっかくの努力も実を結ばないのではないでしょうか。　　たとえば、ダイエットのために努力しよう、と心に決めても1ヶ月で体重を　　３キロ減らそう、そしてそのためには毎日の食事はどんなメニューにするか、　　など、具体的な実践課題がないと続きません。　　ただ、思い出した時だけダイエットだからといって、食べる量を少なくして　　も効果は出ないものです。　　これと、これはきちんと実行する、ということのくり返しの中から、自分へ　　の自信がつき、楽しみに変化していくのが本当の努力のあり方ではないかと　　思います。　　続けながら、楽しめる。　　どうせなら、こういう努力のスタイルでありたいものです。

  2019年08月07日

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