● ウォーキングで出合ったアコーデオン
♪ 中秋の名月なりて尾花つむ人などありて里やまや佳し‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 中4日経ったのでろそろウォーキングに出かけようと思うが脹脛がまだ少し痛い。しかし5日目ともなれば歩いても問題ないだろうと思い、念のために湿布を貼って午後2時半頃に、いざ出陣。 9キロほど先の喫茶店「天気輪の柱」まで歩く予定だ。7,000歩ほどで佐布里池に到着し、一休みしようとベンチのある藤棚の方へ。 向こうのほうから何やら音楽が聞こえてくる。佐布里池を見下ろすベンチで、優雅にアコーデオンの練習をしている人がいる。何か良い感じなので演奏している傍で聴きたくなった。近くのベンチに腰かけ、しばらく聴いていた。 アコーデオンを間近に見聞きする機会なんて滅多にない。持ち前の好奇心がもこもこと頭をもたげてきた。あの左手で操作するたくさんのボタン、いったいどういう配列でどんな意味があるのかが知りたい。 声を掛けてみた。 「ピアノやバイオリンと違って、全く見えない状態で操作するのって大変ですね」「左手のボタンはどうなってるんですか?」 肩から降ろして、丁寧に説明してくれる。 横に6個、縦に20個(6×20=120個)あって、端の二列が低音で、他のボタンは伴奏を担当するものらしい。共通のものがあって一つを押すと他のボタンも同時に押さえた状態に凹んだりする。 パソコンのキーボードのように何か小さな突起や凹みがあって、位置が触ると分かるようにもなっているらしい。 楽譜を見ながら「低音部のここはこんな風にね」と、実際に音を出しながら説明してくれる。一つのボタンを押すと和音が出る。想像もしていなかったので、これにはビックリだ。 「COBAの演奏を聴きに行ったことがあるし、お世話になっている調律師も弾けるらしいので、貴方で3人目です」「あんまりやる人が身近に居ないし、なんかカッコイイと思ってて」 何かの切っ掛けがあってやり始めたらしい。キャリアは10年ほどになるという。 「バンジョーをいじったことが有ってあれもかなり重たいですが、これは何キロぐらい有るのですか」 「10キロですね」 「10キロですかー! そりゃあ大変ですねぇ」、「バンドネオンは小さくていいですが、同じようなものなんですか?」 「あれは蛇腹を広げる時と縮める時とで、音が違うんですよ」 「じゃあハーモニカと同じなんですね」 そんな素人質問にいろいろ丁寧に答えてくれた。 もっと色々聞きたかったが、あんまり練習の邪魔をしてもいけないので、 「写真撮らせてもらっていいですか?」 快く了解してしてくれ、練習していた曲の演奏を始めてくれた。 メロディーも伴奏も一人で出来るので、メンバーを揃えないとできない楽器よりも良いと言う。アコーデオンを始めた切っ掛けはそんなことが理由なのかも知れない。 聞き覚えのある曲でタイトルが思い浮かばなかったが、楽譜を見て「真珠採り」だと分かって納得。 遠くでサキソフォンを練習しているらしき音が聞こえてくる。それを話題にしようと振ってみると「管楽器のことは良く分からないので」とかわされた。 ここは音楽をやっている人の格好の練習場所らしい。以前も別の場所で練習しているのを耳にした事が有る。広く開けたところなので音が良く通る。自分もトランペットの練習場所に困り、浜辺にいって練習したことを思い出す。 何処かで演奏会などやってるのですかと聞くと、パンフレットをカバンに探すも見つからない。近々、どこかでやるらしいことが分かった。刈谷の駅・北口の近くにある会館で今月の末にやるんだとか。 ネットで調べてみることにし、お礼を言って別れた。 調べたら「刈谷市総合文化センター」で、9月28日「東儀秀樹×古澤 巌×coba コンサートツアー 2018 TFC55 LEVEL5」なんていう、タイムリーな垂涎のライブが載っていた。ツアースケジュール 当然チケットは完売で、いまさらどうにもならない。嗚呼、もっと早く知っていれば・・・・ククク。 で、肝心の彼の言う該当するものが見つからない。どういう訳か、聞き間違いかあるいは彼の思い違いか・・・ 持ち運びができて、メロディ楽器としても伴奏楽器としても成り立つ、一人でできる便利な楽器のアコーディオン。知らないことだらけの興味深い楽器だ。スタンダード(ストラデラ)ベースの順列に並んでいるボタンの基本的な音の組合せ 例えばCのキイの場合、このように並んでいるわけだ。 Cベース音 Cメジャー・コード(CM) Cマイナー・コード(Cm) Cドミナント・セブンス・コード(C7)、 Cディミニッシュ・コード(Cdim)こ和音を引くにはこんな風(赤丸)に押さえるらしい。 グレードは分からないが「VICTORIA」の名があったので調べてみたら、やっぱり値の張る楽器なんだね。他のメーカーで7万円代のがあったが、このブランドは高級品らしい。 【VICTORIA】 スーパー120M-4 [A250V/R] 税込定価:918,000円 最低のものがこの値段で、最高級のものだと税込定価が2,160,000円もする。中クラスの車が買えてしまう。迂闊に始められる楽器ではないね。 鍵盤の代わりにボタン式のものも有って、かなり奥が深そうな楽器だ。 佐布里池経由で喫茶店「天気輪の柱」まで歩こうと思って出たが、帰りは真っ暗になる恐れがあると分かり、コースを変更。初秋の里山を散策するつもりで、池の周りをぐる~っと回るコースへ。アケビの実を見つけたり、「臭木」の実が色づいていたので手折ったり・・・。 「臭木」の実を手土産に「ペジーブル」へ立ち寄る。 「これ何か分かります?」、「この実できれいな水色が染められるんですよー」 知人が染色をしていて、来週、蟹江からやって来ることになってるそうで、その彼女に見せたやろと喜んでくれた。しばし、立ち話のもやま話に華を咲かせる。何時もながらよくしゃべる俺だが、この日は何だか気分がいいので尚更のこと。 今日は楽しいウォーキングだったなぁと、暮れかかった道を家路へ急ぐ。 腹が減ってたまらなく、コンビニに立ち寄って「チョコモナカジャンボ」なんぞ買って、公園で食べた。18,000歩ほどの逍遥で、ふくらはぎの筋肉痛はほぐれたのか、逆に軽ーくなった感じ。 シャワーがとても気持ち良かったこと。