〇〇 ひと粒の種からトマト1万個
♪ 艱難と辛苦が人を磨き上げるストレスレスのトマトの味よ 東海市立農業センターで、1粒の種から1万個を超える実をつけることに成功したという新聞記事を見て、現物を見たくなった。 過去にもあって、昭和60年(1985年)のつくば科学万博で、政府館において1本のトマトに約13,000個を実らせている。ハイポニカを使った水耕栽培だ。38年前にこのニュースを見た時は驚嘆したものだ。東海市立農業センター 本館のすぐ横にハウスがあり、記名すればだれでも観ることが出来る。ハウス自体があまり大きくなく、中島克所長が「ハウスの大きさのため来季はこれ以上、収穫量を増やせない」と言っている意味がハウスに入ってみてよく分かった。 種類は、中玉の「高リコピントマト」。今の株の幹回りは15センチ。栽培棚は高さ2・3メートルで、幅7メートル、奥行き10メートルにわたって茎が伸び、無数の真っ赤な実が生り、今月末には計1万2千個になると見込んでいる。 2020年秋から、今回の取り組みを始めた。21年、初めての収穫量は3千個、22年は同6千個だった。挑戦から3季目での目標達成だ。 10月に花が咲き、12月に最初の実ができた。今年3月には実が5千個超に。一部は収穫し、5月16日に計1万個超の実を確認。6月初めにすべて収穫し、料理の材料などに使う予定とか。 この装置の上部全体に根がぎっしりと詰まっている。土がないことで物理的な障害がなく自由にのびのびと根を張ることが出来る。栄養の管理や生育環境も調整できるため、限りなく植物の可能性を引き出すことが出来るわけだ。 しかし、生物というものはある程度のストレスを与えた方が味が良くなったりする。この方法で育てたものが、土を使ったものより美味しくないと意味がない。砂漠地で栽培するならいざ知らず、豊かな土地で恵まれた環境の日本でそれを超えられるものが作れるのかどうか。 かなり前に、水耕栽培を取り入れた農家で収穫されたトマトを食べたことがあるが、別段おいしいとは思えなかった。その頃より品種も改良され、技術も上がって味も良くはなっているのだろが、どうなんだろう。☆ こっちは規模が断然違う。北海道恵庭市のえこりん村にある「とまとの森」。2023年4月22日(土) 〜 10月9日(水) 開場時間10:00 - 16:00(入場無料)「びっくりドンキー」 を展開する株式会社アレフが運営するエコロジーテーマガーデン いつも観光客の楽しそうな声が響き渡っている。温室いっぱいに茎と葉を広げているのは、大きなトマトの木。 行ってみる価値はあるけれど、北海道はちと遠い。 いっぱいに広がっている根 ハウスいっぱいに広がっている葉 2013年11月に枝葉の広がっている面積(85.46平方メートル)でギネス世界記録に認定され、以降も毎年立派な枝葉を広げ、たくさんの実が収穫されている。 ☆ ハイポニカという液体肥料は、大阪の協和が製造販売していて、40年以上歴史がある。「ホームハイポニカ303」というキットが販売されている。 本体 根の様子幅800×奥行665×高さ310mm 50リットル 4.5kg 42,020円(税込)付属品:果菜用マルチパネル、葉菜用マルチパネル、ハイポニカ液体肥料(1リットル)・果菜用培地(4セット)・葉菜用培地(300個)・鉢カバー(2個)・栽培鉢(2個)・計量カップ・取扱説明書・栽培のしおり*生育のスピードが早い ハイポニカ栽培の大きな特徴は生育のスピードが早いことです。果菜類、葉菜類ともに、土の場合の1.5倍~2倍になります。*驚くほどたくさん収穫できる 大きく育つので収穫量ぐんと多くなる。果菜類だと、土栽培の3~4倍は確実に収穫できる。*甘くて栄養価もたっぷり ハイポニカ栽培の果菜類は、果実の糖度が高く、甘くなる。これは、葉の生育がよいので、日光をそれだけ多く吸収するから。また、カルシウムなどのミネラル分やビタミンも非常に多く含まれている。*農薬をつかわない健康栽培が可能 ハイポニカで育てた作物は病気に対する抵抗性が強く、農薬に頼らなくても健康に生長する。*だれでも簡単に栽培できる 土作りからはじまる面倒な手間のかかる土栽培にくらべ、とても簡単に作物にとって一番大切な根を最良に保つ。操作は、給液・水位とも指定の数字にあわせるだけで、むずかしい操作はない。*わずかなスペースでOK 装置を置くスペースさえあればいい。ベランダや屋上などを利用して、気軽に家庭菜園をお楽しめる。*土の捨て場所に困らない 何度も同じ土で栽培すると土の硬化や連作障害でうまく栽培できなくなる。ハイポニカなら水を入れ替えればそれだけ 土の3~4倍収穫できるといっても、この規模で42,020円(税込)は高価すぎる。もっと安くできなものか。付属品に金がかかっているのだとしたらコストは下げられる余地はある。しかし、ノウハウとハイポニカ液体肥料に金がかかっていては普及させるのは難しい。 家庭用の小さなキット「ホームハイポニカ601 果菜ちゃん」もある。12リットル(直径 467×高さ300mm)19,580 円(税込)。 ハイポニカ液体肥料(500ml)・果菜用培地(4セット)・栽培鉢(1個)・支柱支持枠(2個)・取扱説明書・栽培のしおり ※支柱は付属していない。メーカー価格:24,530(送料込み) 家庭菜園というよりも高価な盆栽を管理する感覚という感じ。☆ 2025年の国際博覧会「大阪パビリオン」に、野菜の水耕栽培と魚の陸上養殖を同時に実施する「アクアポニックス」が展示される。 直径7メートルほどの大きなボールのような透明な設備の中で、リーフレタスやハーブなど水質に適応する植物を水耕栽培し、その下に設けた水槽の中でマダイやティラピアなどの魚を養殖する。 水耕栽培に使う水と水槽の水はポンプで循環させ、魚の排せつ物を微生物に分解させたうえでリーフレタスなどの養分にし、養分が吸収されたあとの水は水槽へと戻して良好な水質を保つ仕組みになっている。