〇〇 敷金の6割近く戻り来ぬ
♪ 干からびた時のかさぶた剥がれ落ち団地一室洞(うろ)となりゆく 義母が団地を出るにあたって、敷金から修繕費用などがいくら引かれるのか気になっていた。73,200円納めているが、それで足りるのかどうか。41年2カ月の長期入居で、経年変化によってあちこちがぼろぼろ。何がどこまで弁済の対象になるのかが皆目分からない。 昨日、その審査結果が届き、それを見て驚いた。なんと41,000円ちょっと戻って来るのだ。拡大します 畳や建具などは対象に含まれておらず、細々した部分だけなので大きな金額にはならなかったようだ。大工仕事が趣味だった義父だが、賃貸の内装に手を入れるわけにもいかず、ほとんど何もしていない。「UR」にしてみれば、41年間も入居していた有難いお客さんであるわけで、まあ大目に見て当然なのかもしれない。 URの賃貸住宅は、TVで宣伝している通り、余分な資金は一切かからない。家賃も安いし贅沢をしなければ案外気楽な生活ができた。朝倉団地1973(昭和48)年に誕生し、築50年。現在は31棟で、約1,190戸ある。町から市になったのが1970年だから、その3年後に出来たわけだ。今は、自治会、UR都市機構、知多市、日本福祉大学、地域の関係者らで、空き店舗を活用した「朝倉団地センタープレイス」をオープンし、活性化を図っている。 日本の住宅は、持ち家がステータスとなって中古の家を嫌う傾向が強い。「木と紙と土」で出来ている日本家屋はクラッシュ&ビルドが当たり前だった。最近は建築基準が変わってずいぶん丈夫な家になったが、戦後のいわゆる文化住宅は粗製乱造で、いかにもちゃちな作りの家が多かった。30年もするとガタガタになり、建て替えせざるを得なくなる。 それもあって、各地にニュータウンと称した団地群ができた時、そこに入居することが憧れでもあった。各種商店やスーパーマーケット、公共施設や学校なども併設され、一つの独立した街の形態。 それが今では老朽化し、高齢化して入居者も減り、ゴーストタウンのようになっている所もある。そんな空き部屋を活用する外国人入居者が多い団地も珍しくない。 知多市でも、人口約8万5,000人に対し、外国人住民は約2,000人。そのうち650人ほどが朝倉団地のあるつつじヶ丘コミュニティに暮らしていて、知多市では最も多く外国人が住むエリアとなっている。その8割の500人ほどが、朝倉団地に住んでいる。 高蔵寺ニュータウン開発は、独立行政法人都市再生機構(旧日本住宅公団)が手がけた最初のニュータウン開発事業で、農村のたたずまいが残っていた春日井市が住宅都市として飛躍的に発展する契機となった。高蔵寺ニュータウン 住宅専用地の分譲は、昭和44年1月の137画地に始まり、55年までに1,689画地が行われた。分譲地一画地当たりの平均面積は約323平方メートルであった。また、施行後は、建物を建築する場合の宅地地籍が200平方メートル以下にならないよう、市において指導が行われている。住宅建設、宅地分譲の進ちょくに伴い、人口は入居開始後ほぼ一年で5,000人を超え、昭和50年に約27,000人、土地区画整理事業の完了した56年5月には約42,000人となった。 現在、リ・ニュータウン計画を策定し、新しい街作りを目指している。