■ 宮本常一の旅学「観文研の旅人たち」若者に読んでほしい
♪ かつてありぬ変人巣窟観文研民族文化の智を集積す 全国旅行支援が始った。期間は12月下旬まで。<割引率>40%<割引上限額>交通付旅行商品 :8,000円(一泊当たり)(鉄道、バス、タクシー・ハイヤー、航空、フェリーなど) 上記以外:5,000円<クーポン券>平日:3,000円、休日:1,000円クリックで、各都道府県窓口一覧へ☆ 宮本常一の旅学「観文研の旅人たち」という新刊本を図書館に予約し、先日入ったので借りて来たばかり。地球を舞台にして足の向くまま心の趣くままに、自由闊達に歩きまわった猛者たちの足跡をたどる本。 枠に収まるのを嫌い、突き上げる心の発露として動き回っている中で、民俗学の泰斗である宮本常一に出会い薫風を受ける。自分を見つめながら悩み戦い、破格な行動力で人のやらないことをやり、結果を出してきた連中へのトリビュートブック。 宮本常一は、「旅とは現実を自分の目で直接みようとすること」と定義する。近畿日本ツーリストの創業者・馬場勇と出会い、日本観光文化研究会、略して「観文研」を立ち上げ、わずかの資金を提供して若者を世界に向けて撃ち放った。 観光とは「太陽のもとに出て陽の光を見、浴びること」であって観光地を巡ることではない。「大勢が行ったからということに動かされるのでは、良い旅はできない。商業主義の旅行業者の言うことをきいてはいけない」と、柳田國男も言う。「あるくみるきくアメーバー集団」という闊達な一つの形態をとるようになる。頭文字をとって「AMKAS」と呼び、多くの人を引き寄せて、1970年代の高度成長期の日本が見失っていく民族的な文化遺産に着目していく。「あるくみるきく」とい本にまとめて、263巻まで出している。 私もこの同じ時期に放浪していたが、彼らの事はまったく知らなかった。知っていればもっと違ったものに出会えたかもしれないが、“たられば” を言ってもはじまらない。 ただ、旅についての思い「とにかく歩くこと、貧乏なこと、観光には興味がないこと」というと点は同じだった。そして、枠にはめられるのが嫌い、集団で行動するのが苦手、烏合の衆が嫌い、サラリーマンが肌に合わない、という点もまったく同じ。 メンバーは当時を振り返って、アウトサイダーといえば聞こえはいいが、一種の病人であって「観文研」はそれらの集まる病棟だったと述懐している。 そういう事情があって、私はこの観光旅行という括りの話題に、あまり心が反応しないし、触手も動かない。若くないのだから変わってもおかしくないのに、未だにそれを引きずっているのは、「AMKAS」のように命を懸けて目いっぱい活動した経験がなく、吹っ切れないでいるせいだろう。 まあ、皆と同じ行動が大好きな皆さんは、渋滞も行列も何のその、その忍耐が日本の経済を元気づける。目いっぱいの心意気で観光旅行をしてださい。金持ち優遇の政策に、不満がいっぱいですが・・・ * ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。