終わりのマイルールを作る
終わりのマイルールを作る精神科医・産業医 井上 智介 メール繊細さんは、相手の表情の変化などをすぐに察知して、相手に合わせた行動をとることができます。しかし、気配りしすぎて疲れやすい一面もあります。では、相手の表情や態度が見えないやり取りは気楽かというと、そうではありません。いつも以上に、相手を傷つけないよう慎重になり、余計に気を使うので苦手な人も多いです。例えば、メールなどの文字だけのやり取りでは、相手がどのような気持ちで発信しているか分かりづらく、「もしや怒っているのでは……」とネガティブになりがちです。さらに、こちらからメッセージを送る時も、相手が少しでも傷つかないように配慮して、表現などを何度も見直し、文章を作っては消すという作業を繰り返します。特に繊細さんが悩むのは、メッセージラリーになった時、どのタイミングでこのやりとりを終わらせたらよいのかです。これで終わりかなと思いつつも、「いや、相手は最後の変身を待っているかも……」と不安になり、こちらは最後のメッセージを送ったと思っても、しばらくスマホを手放せなくなります。そこで、このような繊細さんは、メッセージの終わり方のマイルールを作ってみてください。例えば、ラリーを終わらせる時は、文面の最後に「今日もありがとうございました。では、また今度」と送ったら、それ以降はこちらからやりとりはしないなどです。このマイルールを決めておくと、最後に相手から連絡が来ても、特に反応する必要もなくなります。LINEの場合はスタンプなどでもやりおりができるので、自分の中で終わりを意味するスタンプを決めておくのもいいですね。ラリーの最後は相手に譲ってあげるくらいの気持ちでやりとりしてみましょう。 【元気になれる「繊細さんの生活術」▷12◁】公明新聞2021.10.21