チャットGPTが善か悪か
チャットGPTが善か悪かお茶の水女子大学名誉教授 石井クンツ昌子最近、生成系人工知能(AI)が話題になっている。このAIはインターネット上にある既存の文章や映像を大量に学習することで、文章や画像などを生成する便利なシステムである。つまり、アカウント登録後にキーワードを書くと、すでに蓄積している膨大な情報を基に、AIが文章を書き、画像などを提供してくれるのだ。現時点で最も有力なのはチャットGPTだろう。このように「便利」なツールが出てきたことを喜んでいるのが学生、特に大学生かもしれない。また、大学生のレポートなどについてはチャットGPTを使い書かれたのかについての検証が難しく、レポートを評価する教員にとっては、そもそも学生が自分で書いたのか否かという疑問が残るだろう。それではどうすればいいのか。「適度に使う事」である。大学は「考える」ことを学ぶ場所だが、チャットGPTを使いすぎると、学生の「考える」力が弱体化すると思う。いずれにしても、この生成系AIの出現により、教員は論文やレポートなどに書かれたことだけで評価できなくなり、その結果、対面の面接などをしなければならない時代が来るのではないだろうか。基本的にAIhs人間をアシストするためのツールだと思っているのが、生成系AIを使うことにより、例えば大学教員の負担を増やしているようにしか見えないのは筆者だけだろうか。 【ニュースな視点】公明新聞2023/5/29