「恩師の秘蔵指導要集」
◎ 勉強せよ 勉強は若いときにするものだ。 人の一生は、二十代で決まる。二十代で、しっかり基礎をつくるかどうかで、左右される。その時代に勉強したことは、一生残るものだ。 勉強は、やる気さえあれば、どんな方法でもできる。通勤電車の中でもできるし、金がなかったら、本屋の立ち読みもいいだろう。 わしは若い頃、大八車を引いて働いていたが、その日の仕事を大急ぎですませて、野原へ行って、大八車をおっぽり出して、野原へ寝ころんで、本を読んだものだ。 わしは若い頃から、本がないと眠れない習慣だ。いつも、枕元へ三冊から六冊ぐらい本を置いていた。 わしは、自分の御書を読まないところは一行もないという自信がある。 机に向かっている時ばかりが学問ではない。目黒の駅で、貨物列車の通るのを見ていたら五十輌連結していた。一輌十トンとすれば、一列車で五百トンだ。 電車を待っている間にも勉強はできるものだ。(つづく)