損得抜きで全力を出す
人間は大きな志を持って目的達成に取り組んでいても、なにか問題が発生したときには、目的の達成よりも自分を守ることを優先しがちです。それは「自己保存の本能」が働くからです。この本能を克服するためには、まず「立場や意見の違い認めて共に生きる」という感情や考えを生み出す神経群(ダイナミック・センターコア)の働きを強くすることです。そして、どんな困難に直面しても目的を達成するためには、素直、かつ前向きな心で、目の前のことに損得抜きで全力投球する習慣を身につけることが大事です。よく人は努力という言葉を使いますが、私は努力すること以上に習慣化することが大事だと考えています。どんな状況でも実力を発揮できる習慣が身につけば、必要以上の苦痛を感じずに、スムーズに目的達成に取り組めるようになります。いままで私が対面してきた超一流といわれる人たちは、みんな共通して素直で前向きな性格でした。そして損得抜きで全力投球する習慣を持っていました。面白いもので、そういう人たちは、初めは損をしているようでも、最後に必ず勝っていきます。これが「自己保存の本能」を克服するいちばんの方法です。 【「勝負脳」で自分を超えられるか(最終回)】第三文明09・12月号