甘えの心
人間は助け合わなければならない。体などに障害があれば、暖かい援助の手が必要である。とともに、自立自助の心が大事である。 その自立を阻(はば)むのが、甘えの心である。 甘えは、時に自分自身を不幸にする要因となる。自分の思いや要求が満たされないと、他人や環境、運命を恨み、憎むようになるからだ。 不平や文句、恨みや憎悪に明け暮れる人生は悲惨である。 幸福とは、自分の胸中に歓喜の太陽を登らせることだ。自身の輝ける生命の宝塔を打ち立てることだ。それには自らの生命を磨く以外にない。 「人間を変えるものは環境ではなく、人間自身の内なる力なのです」(ケラー著《光の中へ》)とヘレンケラーは訴えている。 自分を磨き、強くし、自身を変えゆく道こそが信心なのだ。 ◇「南無妙法蓮華経は生命の本源であり、宇宙の大法則です。その仏法を皆さん方は、幸せにも持(たも)っている。 世界を見れば、また過去の歴史を見れば、何十億という人が、この妙法に巡り合うことなく、亡くなっている。不幸になき、死を恐れ、不安に苦しみながら死んでいった人も少なくない。 あえて言えば、それはわびしく沈みゆく人生といわざるをえない。 しかし、妙法を持(たも)った皆さん方は、昇り行く人生です。赫々たる太陽の人生です。 生命の奥底(おうてい)に信心の輝きがあるならば、三世永遠の生命観のうえから見て、来世、再来世と、体も健康で、幸せに満ちあふれた所願満足の境涯になっていかないわけがありません。 これを確信して、朗らかに進んでください」 【「新・人間革命 宝塔45】聖教新聞07・4・26付