優しさ
「優しさ」は、一見、柔和で温順な、静かな響きをもった言葉として、受け止められていますが、これほど、過酷な行動を要求する言葉もありません。「優しさ」とは、言い換えれば、他を思いやる言葉でありましょう。他人の懊悩、苦しみを分かちもち、共に歩み、その苦を解決してこそ、初めて、本当の意味で、他を思いやったことになるといえます。そのためには、自らの内に、確かな信念と強いエネルギーが秘められていなければならない。もし、他の不幸を見て、心情的に同情しても、ただ手をこまねいて傍観し、かかわることがないとすれば、それは「優しさ」などではけっしてない。冷淡であると非難されても、否定できないことになってしまう。泥まみれの実践と、あふれる正義感、エネルギーに満ちあふれた生命であってこそ、初めて「優しさ」を、現実のものとすることができるといってよい。(親・人間革命22巻「命宝」330頁)