問題に対処する時に心すべき三点
約1000年前の中国・北宋の時代に張詠という地方長官がいた。情にあつく機知に富んだ人物で、大乱のあった四川で諸葛孔明と並び称されるほどの治績を残した ▼張詠は「事に臨みて三難あり」と、問題に対処する時に心すべき点を三つ挙げている。一つは「ものをよく見ること」。そして「見て行動にうつすこと」。最後に「行動する時決してぐずぐずしないこと」と(朱熹編・梅原郁編訳『宋名臣言行録』ちくま学芸文庫) ▼「ぐずぐずしてはいられない」――1945年7月、戸田先生は軍部政府の弾圧による投獄から出獄して間もなく、こう言った。「私は、一日の休みもなく、奮闘している。これからの半年の間に、2年間の投獄の空白を取り返す決心で戦っている!」。この“決断即行動”こそ永遠不滅の学会魂である ▼ささいな課題でも、先送りにしたり、放置したりすると、解決が難しくなる場合がある。逆に、絶体絶命の困難にも、勝つと決めて作戦を練り、いち早く行動を起こすことで活路が開ける確率は高まる ▼御聖訓に「所詮臨終只今にありと解(さと)りて信心を致して」(御書1337㌻)と。どんな課題もなおざりにせず、一つ一つ、全力で勝ち越えていくことだ。この「決断即行動」の連続の中で、人生勝利の道は開けていく。 【名字の言】聖教新聞2019.6.11